福島市のJR福島駅の改札周辺では、切符売り場に長い列ができていたほか、困った様子で電話をかけている人の姿があった。
「とにかく待つしかないですね」。伊達市の男性(75)はため息をついた。里帰りする知人を迎えに来たが、知人が乗った新幹線は宇都宮駅で止まってしまったという。「新幹線が止まったと連絡は受けたが、自宅を出発していたので駅まで来た。こんなに長く止まるとは思わなかった」と苦笑いを浮かべた。
山形県米沢市の会社員紺野遥貴さん(24)は東京都内で開かれるライブに行く予定だった。「朝のニュースで運転見合わせを知り、乗れるかどうか分からないが駅まで来てみた。ライブに間に合うだろうか」と不安げに語った。
仙台市に向かう予定だった都内の50代会社員男性は「自分は目的地が近かったので幸いだった」と話し、在来線ホームへと向かった。
郡山市のJR郡山駅は、駅員に運行状況を確認したり、掲示板を眺めたりする利用客らであふれた。都内から来る友人を迎えるために駅を訪れた同市の滝田幸子さん(84)は「朝に来る予定だったが、昼には着けるそう。連結器が外れるのは珍しい。脱線しなくて良かった」と安堵した。
3、4月にもトラブル
東北新幹線を巡っては、今年に入って、トラブルによる長時間の運転見合わせが複数回発生している。3月には郡山駅で新幹線がオーバーランし、所定位置を500メートル超えて停止。安全確認などのために約2時間半の遅れが発生した。4月には福島―白石蔵王間で安全確認をしていた工事車両から油が漏れているのが見つかり、最大5時間半以上の遅れが出た。