書教展、全国2位・3位 会津学鳳高生が力作

09/20 07:35

全日本書道教育協会理事長賞を受賞した安田さん(右)と二松学舎大学長賞を受賞した湯田さん

 全日本書道教育協会主催の第108回書教展高校の部で、いずれも会津学鳳高3年の安田(やすた)可歩さん(17)が第2席の全日本書道教育協会理事長賞、湯田翠さん(18)が第3席の二松学舎大学長賞を受賞した。2人の作品は東京都美術館(東京都台東区上野公園)で19~26日に開かれる書教展で展示される。

 2人の作品は半切サイズ(横34.5センチ、縦136センチ)。安田さんは西行の筆と伝わる「中務集(なかつかさしゅう)」の臨書を出品した。安田さんは昨年も同展に「中務集」を出品して第2席を受賞しており、「昨年よりも線の質を上げよう」と取り組んだ。同校によると、今回の理事長賞は常設の賞ではなく、第1席の文部科学大臣賞とほぼ同等の作品と評価された場合に与えられる。

 高い臨書技術とともに、スパッタリングという技法で紙にも装飾を施したデザインも評価された。安田さんは「昨年は先輩が第1席になり続きたいと思っていたので少し悔しさもあるが、うれしい思いもある」と話した。

 湯田さんは中国・漢の時代の隷書碑「曹全碑(そうぜんひ)」を、紺色の紙に金色の字を書く紺紙金泥(こんしきんでい)の手法で仕上げた。金泥は一般的な墨と違うため「相性のいい筆を見つけるのが大変だった」といい、また、色むらがないようにするのにも苦労があったという。

 湯田さんは「3年間の集大成で受賞できてうれしい。自宅で作品制作の環境をつくってくれた家族に感謝している」と話した。

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