通販大手のQVCジャパン(千葉市)は、浜通りを対象にした地方創生キャンペーン「ポテンシャル、無限大!福島。」を開始する。浜通りの広域連携団体「HAMADOORI13(浜通りサーティーン)」と連携し、22日から浜通りの魅力を伝える動画を同社ホームページで全国公開するほか、月1回の割合でスマートフォンなどから接続できるネット上のライブ通販「QVCポップアップライブ」で浜通りの商品を販売する。
同社が、地方創生の目的で特定の地域を特集してキャンペーンを展開するのは初の試み。東日本大震災からの地域再生が進む浜通りで、地元事業者の販路拡大の契機として期待される。
同社と縁があった浜通りサーティーンのメンバーから連携を呼びかけられたのがきっかけで、1年前から準備が始まった。PR動画「HAMADOORI the Movie」は約30分の完全版と、5分の短縮版の2種類を作成した。
浜通りの美しい風景や地元で活躍する若手の取り組みを紹介しながら、動画を見た人が「行きたくなる」「会いたくなる」と感じる内容に仕上げた。
22日から公開するのは短縮版。完全版はイベントやテレビ放送での使用を予定している。
「ポップアップライブ」の最初の配信は29日午前10時からで、サーティーンメンバーの元木寛さんが運営するいわき市の体験型農園「ワンダーファーム」から中継し、トマトジュースなどのオリジナル商品を販売する。
10月以降はサーティーンの会員事業者や若手起業家の商品を取り扱う。配信時以外でも24時間、県産品を購入できるようキャンペーンの特設ページを設ける。
QVCジャパンはキャンペーンを顧客と浜通りの商品、人をつなぐ中長期的な取り組みとして継続する考えだ。同社は福島民友新聞社の取材に「商品の素晴らしさに加え、生産者や地域の人の思いが届くような番組づくりを通じて復興に貢献したい」とコメントした。
PR動画の完成披露上映会は30日午後1時から、双葉町産業交流センターで開かれる。
QVC 世界最大級の通販ネットワークであるキュレートリテールグループの基幹ブランド。2001年から日本での通販放送を開始し、04年には国内初の24時間連続生放送番組を行った。日本法人のQVCジャパンでは年間約2万1千点の商品を紹介しており、1週間のオンエア内で登場する商品の約4割が新商品。