大相撲秋場所千秋楽の22日、福島市出身の「大波3兄弟」の次男で西前頭3枚目の若元春(30)=本名大波港(みなと)、荒汐部屋=が11勝目を挙げ、来場所での三役復帰を確実にした。若元春は今年の夏場所まで関脇だったため、3場所ぶりに三役に返り咲く見通しとなった。
同日開かれた三賞選考委員会では、大波3兄弟の三男で東前頭7枚目の若隆景(29)=本名大波渥(あつし)、荒汐部屋=が初の殊勲賞に選ばれた。三賞は2年前の秋場所以来5度目。若隆景は、今場所で優勝した関脇大の里を12日目に破り、千秋楽も白星を重ねて12勝の好成績を収めた。
若元春、若隆景が2桁勝利
大相撲秋場所千秋楽では、福島市出身の「大波3兄弟」の次男若元春(30)と三男若隆景(29)の2人が白星を重ね、元関脇の実力者ぶりを見せつけた。2人とも2桁勝利とし、躍進の秋場所となった。
11勝目を挙げ、3場所ぶりの三役復帰を確実とした若元春は「番付や星のことより、自分らしい相撲を取ることだけ考えている。今場所は自分の相撲を出せていた」と充実の今場所を振り返った。
再入幕2場所目で12勝を挙げ、初の殊勲賞を手にした若隆景は「充実した15日間だった。常に下から攻める自分の相撲を徹底することを考えた。これからも精進していきたい」と語った。
特に若隆景は優勝した大の里を破るなど、右膝の重傷による幕下転落からの復活を強く印象付ける場所となった。来場所の三役返り咲きは微妙な状況だが、上位陣総当たりは確実。「しっかり稽古に励んで、自分の相撲を取りたい」と力強く話した。
後援会会長「素晴らしい」
2人の活躍に地元も沸いた。大波三兄弟福島後援会の渡辺博美会長(福島商工会議所会頭)は「2人そろっての2桁勝利。素晴らしかった。特に若隆景が大の里に勝利した一番は、誰が見ても評価される取組。まさに殊勲者といえるのではないか」と喜んだ。来場所に向け「番付が上がる九州場所でも良い闘いをしてもらいたい」と期待を込めた。
白熊「体つくり再出発」
13日目から左足のけがで新入幕の秋場所を休場した須賀川市出身の白熊(25)=本名高橋優太、二所ノ関部屋=は22日、茨城県で開かれた同部屋の千秋楽祝賀会に車いす姿で出席し「課題が多く見つかった場所だった。来場所に向け、けがをしない体をつくる。再出発して気を抜かずに一番一番相撲を取りたい」と再起を誓った。
二所ノ関親方=元横綱稀勢の里=はあいさつで「来場所に向けてしっかり治し、白熊旋風を起こせるよう頑張ってくれると思う」と復活を期待した。
祝賀会には、白熊須賀川後援会の会員のほか、祖父の祥武さん(76)ら家族も駆け付け、白熊をねぎらった。