福島市が活用策を検討してきた2カ所の市有地を巡り、イオンタウン(千葉県)に同市南矢野目の市有地(約2万8500平方メートル)、社会医療法人福島厚生会(福島市)に同市笹谷の市有地(約2万6千平方メートル)を売却した。譲渡契約締結式が24日、市役所で行われた。南矢野目にはイオンタウンが2027年春に複合商業施設のオープンを目指している。笹谷には福島厚生会が福島第一病院を移転新築する計画で、28年秋の開院を予定している。
複合商業施設は地元農産物を販売する市場や書籍・生活雑貨販売店などが核で「イベント広場」といった交流の場をつくることも計画。災害時には避難場所として施設や駐車場を開放する。地元からは開業に合わせ、近接地に交番の設置を求める要望が出ている。
新しい福島第一病院は内科や循環器科など13の診療科目を備える。眼科や耳鼻科の誘致、介護施設の併設も検討している。敷地内にバスの停留スペースを設け、利用者の利便性向上を図る構想も進めている。
式では木幡浩市長がイオンタウンの加藤久誠社長、福島厚生会の星野俊吾理事長と契約書を交わした。加藤社長は「市民の憩いの場所になればうれしい。(近接するスーパーの)イオン福島店と一体で地域に貢献したい」と話し、星野理事長は「移転し、バージョンアップを図る。災害時には一時的な避難場所として地域を支えていく」と語った。
木幡市長は南矢野目について「多世代交流拠点として人が滞留する場所になってほしい」と期待し、笹谷については「地域の安全・安心に向けて医療の充実を期待する」と述べた。
契約額は南矢野目が20億円、笹谷が12億2千万円。