福島県いわき市は24日、パリ・パラリンピックの柔道女子48キロ級(全盲)で銀メダルを獲得した同市出身の半谷(はんがい)静香選手(36)=トヨタループス=に市民スポーツ栄誉賞を贈ると発表した。半谷選手はリオデジャネイロ・パラリンピックで5位入賞した際にも受賞しており、2度目。10月15日に市役所で表彰式を行う。半谷選手はいわき応援大使にも委嘱される。
同賞はスポーツの分野で市民の誇りとなる成績、成果を収めた人が対象。東洋大時代に東京箱根間往復大学駅伝で区間新記録をマークするなど活躍した柏原竜二さんなど、これまでに45の個人・団体に贈られている。直近では、東京パラリンピック車いすバスケットボール男子で銀メダルを獲得した豊島英(あきら)さんが2021年に受賞している。
半谷選手は「障害がある人でもスポーツに取り組みやすいいわきになるよう貢献していきたい」と意欲を語った。内田広之市長は「今後は市の政策にも関わってほしい」と期待を語った。
後輩の後押し感謝 母校訪問
半谷選手は24日、母校の東日大昌平高を訪れ、パリ・パラリンピックでの銀メダル獲得を報告した。
半谷選手は同校の柔道部員らを前に「パリでは自分の柔道をやり切り、納得の銀メダルだと思っている。(勝負の際)畳の上では一人だが、みんなで戦っているという気持ちで挑むことができた」と後押しに感謝した。
報告会には柔道部員約20人が出席。パラリンピックの直前に部員らと最後の調整をしたという半谷選手は「実戦に近い練習ができ、貴重な時間を過ごすことができた。メダルを持って報告に来ることができてうれしい」と語った。
部員たちは半谷選手から銀メダルを渡され、重さを確認するなどした。3年の加藤日菜さん(18)は「メダルの重みとともに、半谷さんが背負ってきたものの重さを感じた。自分の気持ちを分析して競技に臨むという半谷さんの考え方を、これからの人生に生かしたい」と話した。
報告会ではこのほか、学校を運営する昌平黌の緑川浩司理事長が半谷選手に理事長賞を贈った。