福島県玉川村が阿武隈川の名勝「乙字ケ滝」近くの旧飲食店を改修して整備してきた複合型水辺施設「乙な駅たまかわ」が28日、オープンする。国立競技場(東京都)などを手がけた建築家隈研吾氏が設計し、細長い木の板を隙間を空けて平行に並べた「ルーバー」をあしらっている。25日は関係者を招いた内覧会が開かれた。
入り口がある2階では、同村のあぶくまビールが製造し、隈氏がラベルを手がけたクラフトビール「ミナモビール」や村の6次化商品を販売する。ベーカリーや軽食を楽しめるカフェ、村観光案内所も備える。
阿武隈川に面した1階は「リバーサイドフロア」と名付けた。県産牛を中心に扱うステーキレストランが営業し、オープンカウンター越しに調理の様子を楽しめる。あぶくまビールの醸造所もあり、クラフトビールの製造過程を見学できる。
このほか、予約制でカヌーやSUP(サップ)体験も楽しめる。川遊びに対応してシャワー室も設けた。
建物は1996年にそば店として開店したが、東日本大震災の影響で閉店し、空き店舗となっていた。村は地域資源として生かす目的で建物を取得し、隈氏の協力を得て改修を進めてきた。須釜泰一村長は「村の特産品を扱い、川を身近に感じてもらえる施設ができた。にぎわいづくりに向け、村の魅力を積極的に発信したい」と述べた。
28日は午前11時から現地でオープニング式典が行われ、隈氏がスピーチする予定。一般客の来場は午後2時~同5時に受け付ける。
29日以降の営業時間は午前10時~午後7時。10月27日までの土、日曜日に訪れた先着各10人には記念品を贈る。問い合わせは乙な駅たまかわ(電話050・1722・0034)へ。