自民党東日本大震災復興加速化本部長を務める根本匠元厚生労働相(73)=衆院旧福島2区、9期=が次期衆院選に出馬しない意向を固めたことが27日、関係者への取材で分かった。年齢に加え、本部長として本県復興に向けた政府への第13次与党提言をまとめたことを政治活動の一つの区切りと判断したとみられる。支部長を務める福島2区の後任には、長男で弁護士の拓氏(38)の名前が挙がっている。
根本氏は、建設省(現国土交通省)官僚を経て中選挙区時代の福島1区から出馬した1993年衆院選で初当選した。党内有数の政策通として知られ、衆院予算委員長や東日本大震災復興特別委員長などの要職を歴任、第2次安倍内閣で復興相、第4次安倍改造内閣で厚労相を務めた。
復興相時代には現地対応を強化する福島復興再生総局の開設に尽力するなど本県の復興・再生に奔走。厚労相としても社会保障や厚労省改革に手腕を発揮した。
また、岸田文雄首相の盟友として旧岸田派の事務総長を務め、2021年の前回総裁選では岸田総裁誕生の立役者の一人となった。
関係者によると、根本氏はすでに一部の関係者に不出馬の意向を伝えたという。近く後援会関係者などに意向を伝える場を持つとみられ、27日の福島民友新聞の取材には「政治家の出処進退は政治家自身の口で言うものだ」と語った。