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相馬・山形屋商店3連覇、福島県入賞数11点2年連続V 全国醤油品評会

09/28 08:15

受賞銘柄を手に「地元の人が誇れるしょうゆを造りたい」と話す渡辺さん
「高品質な商品づくりという使命を果たせた」と喜ぶ岡本さん
受賞銘柄を手に「今後もしょうゆの魅力を発信したい」と語る星社長
「創立60周年の節目に花を添えることができた」と喜ぶ紅林工場長

 日本醤油(しょうゆ)協会は27日、国内唯一のしょうゆの全国品評会「第51回全国醤油品評会」の結果を発表した。本県からは山形屋商店(相馬市)の「ヤマブン本醸造特選醤油」が最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。同社の受賞は3年連続。ほかに農水省大臣官房長賞に3点、優秀賞に7点が選ばれ、過去最多の計11点が入賞した。都道府県別の入賞数は2年連続で日本一だった。

 農水省大臣官房長賞を受賞したのは、県醤油醸造協同組合の「県醤協こいくち」(二本松市)、星醸造(喜多方市)の「丸大豆醤油」、内池醸造(福島市)の「キッコーツル特選醤油」。

 山形屋商店によると、最高賞受賞は7度目で、全国最多タイ記録を樹立した。

 品評会には全国153工場から288点(このうち本県は16工場から37点)が出品された。味覚や見た目、色、香りなどを審査し、農水大臣賞5点、農水省大臣官房長賞10点、優秀賞35点を決めた。

 県内の優秀賞次の通り。

 「こいくち醤油」(根田醤油、白河市)「マルマン本醸造しょうゆ」(マルマン醸造、古殿町)「イゲタ精撰しょうゆ」(林、会津若松市)「蔵出し別撰」(根田醤油、白河市)「ヤマボシ醤油吟上」(ヤマボシ醤油、白河市)「県醤協うすくち」(県醤油醸造協同組合、二本松市)「ヤマブンうすくち醤油」(山形屋、相馬市)

 きょうからフェア

 10月1日の「しょうゆの日」に合わせ、県味噌(みそ)醤油工業協同組合は今月28日~10月14日、福島市の県観光物産館で「ふくしまの醤油フェア2024」を開く。

 全国醤油品評会の受賞銘柄のほか、県内34銘柄のしょうゆなどがそろう。時間は午前9時半~午後7時。

 問い合わせは県味噌醤油工業協同組合(電話0243・22・3121)へ。

 最高賞7度目、地元誇れるものに

 山形屋商店(相馬市)は全国最多タイ記録となる7度目の最高賞に輝いた。代表社員の渡辺和夫さん(54)は「『これが古里の味だ』と地元の人が誇れるしょうゆを造りたい」とさらなる高みを目指す。

 最高賞受賞は、薄口しょうゆでは東北、北海道で初となった2022年の「ヤマブンうすくち醤油」、昨年の「ヤマブン別上こいくち醤油」に続き3年連続。

 今回受賞した濃い口しょうゆ「ヤマブン本醸造特選醤油」は、食欲をそそる芳醇(ほうじゅん)な香りが際立つ同社の定番商品だ。口にすれば、まろやかで深いうまみが広がる。地元で長く親しまれ、家庭の味に欠かせない一品となっている。

 県内の醸造蔵と一緒に腕を磨いてきただけに、自社の快挙に加え、本県の2年連続入賞数日本一にも喜びを深くする。「震災後のどん底からはい上がり、またみんなでつかむことができた日本一だ」と力を込めた。

 農水大臣官房長賞3点

 福島・内池醸造 キッコーツル特選醤油

 内池醸造(福島市)の岡本睦友研究開発部部長代理(54)は「163年の歴史の中で一定かつ高品質な商品づくりという使命を果たせた」と受賞を喜んだ。

 県内業界では、しょうゆのもとになる「生揚(きあげ)しょうゆ」の生産を協業化する中、同社は一から自社で生産。受賞した「キッコーツル特選醤油」は新鮮で食欲をそそる香りなどが評価された。岡本さんは「食卓に並ぶ料理のサポートをしていきたい」と話した。

 喜多方・星醸造 丸大豆醤油

 星醸造(喜多方市)の「丸大豆醤油」は2016年の優秀賞から上昇し、農林水産省大臣官房長賞に輝いた。さらっとした味わいが特徴で、豊かな香りや濃い色合いが残るよう火入れの時間や温度を工夫した。

 星龍弥社長(47)は「久しぶりの受賞で、うれしい」と喜んだ。同社の商品は市内のラーメン店などで使用されており「今後も観光客らにしょうゆの魅力を発信したい」と意気込んだ。

 二本松・県醤油醸造協同組合 県醤協こいくち

 県醤油醸造協同組合(二本松市)は「県醤協こいくち」が農林水産省大臣官房長賞、「県醤協うすくち」が7度目の優秀賞に輝いた。

 農水省大臣官房長賞は昨年の香味しょうゆに続き2年連続。こいくちは切れのある味とうまみ、うすくちは穏やかな香りと塩分控えめで素材の味を邪魔しない味わいが特徴だ。紅林孝幸理事・工場長(53)は「創立60周年の節目に花を添えられ大変うれしい」と喜んだ。

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