【サッカーJ3第30節】福島ユナイテッドFCは29日、ホームのとうほうみんなのスタジアムでAC長野パルセイロと0―0で引き分けた。通算成績は13勝4分け12敗。福島は消化試合が1試合少ない状況でプレーオフ圏内となる暫定6位に浮上した。次戦は10月2日、アウェーのピカラスタジアム(香川県)でカマタマーレ讃岐と対戦する。午後7時開始予定。
【評】福島は後半に退場者を出し、数的不利の戦いを強いられた。前半は試合を優位に進め何度も決定機をつくったが、決め手を欠きゴールを奪えないまま折り返した。後半29分にDF大森が退場。1人少ない状況で相手に押し込まれる時間が続いたが、最後まで粘り強く守り、引き分けで勝ち点1を手にした。(多勢ひかる)
数的不利、守護神奮起
福島は1人少ない状況に苦しみながら相手の猛攻をはね返し続け、勝ち点1をもぎとった。暫定順位はプレーオフ圏内の6位に浮上。寺田周平監督は「満足はしていないが、最後まで耐え抜くたくましさに選手の成長を感じるゲームだった」と手応えを示した。
守備では、GK吉丸絢梓(けんしん)の好セーブが光った。後半29分にDF大森の退場で10人での戦いを強いられ、何度もシュートを許したが、ことごとくブロック。状況を見ながら積極的に攻撃の組み立てにも参加した。腰の不調から復帰し、3試合ぶりにフィールドに立った吉丸は「いい状態で復帰できた。無失点で抑えることで役割を果たせた」と安堵(あんど)した。
数的不利の状況を5月の今治戦で経験していたことが、焦りを生まない要因になった。守備の頑張りに引っ張られるように、攻撃陣も奮起。途中交代したFW長野星輝やFW清水一雅がカウンターで好機を狙い、相手を揺さぶった。
10月2日に讃岐戦、同6日には岐阜戦が控える。8日間で3試合を消化する過密日程だが、初戦で勝ち点を得たのは大きい。指揮官は「選手の質は上がっている。ボールを握りながら押し込む時間をつくり、決定機を生み出したい」と先を見据えた。(多勢ひかる)