福島大行政政策学類の刑事政策ゼミナールは9月25日、福島市の福島刑務所を訪れ、施設見学や職員との意見交換に臨んだ。同大地域未来デザインセンターと同刑務所が3月に結んだ包括連携協定の一環で行われ、学生は受刑者支援や来年6月に創設される懲役刑と禁錮刑を一本化した拘禁刑について考えを巡らせた。
学生は職員から説明を受けながら刑務所と女性受刑者を収容する刑務支所を見学。その後3班に分かれ、職員と意見交換した。
学生は「拘禁刑が創設されることで刑務所はどう変わるか」「受刑者を『さん付け』で呼ぶことに抵抗はなかったか」などと質問。「刑務官に怖いイメージはないか」などと職員が学生に問いかける場面もあった。ある職員は受刑者との接し方について「受刑者ではなく一個人として対話するよう心がけている」と話した。
参加した4年の斎藤すみれさん(21)は「刑務所のみでできることは限られている。社会全体で受刑者を受け入れる体制をつくっていかないといけない」と感想を語った。指導教員の高橋有紀准教授(刑法)は現場で働く職員との意見交換を通じて「拘禁刑でも重視される『対話』の必要性を学生にも感じてもらいたかった」と話した。