警察官や検察官に成り済まし、福島市の80代女性から現金850万円をだまし取ったとして、福島署は30日午前1時25分ごろ、詐欺の疑いで住所不定、マレーシア国籍の調理師の男(24)を逮捕した。
同署管内では8月下旬に70代女性が1690万円、9月上旬に別の70代女性が1349万円を同じ手口でだまし取られる事件が発覚しており、同署が関連を調べる。
逮捕容疑は、複数人と共謀し、8月7日ごろ~9月9日の間、警察官や検察官に成り済まし、福島市の80代女性に電話で「口座と携帯電話が不正利用されている。口座の金を調べる必要があるので預金を全て下ろし、玄関に置いてください」などと指示し、現金850万円をだまし取った疑い。
捜査関係者によると、男は玄関から現金を持ち去った「受け子」。ほかにも電話をかけた人物らがいるとみられ、男らが役割分担した上で事件を起こした可能性もあるという。
防犯カメラなどの分析などから男が浮上。県警が逮捕状を取り、指名手配した。男は事件後に出国したが、羽田空港から再入国した際に逮捕した。同署は県警組織犯罪対策課、警視庁特殊詐欺連合捜査班と捜査した。