福島県で水揚げが急増しているトラフグの今季のはえ縄漁が1日、相双沖で始まった。独自ブランド「福とら」として県内外に出荷される。漁期は来年2月まで。
トラフグ漁は2日に再開する予定だったが、台風17号の影響を避けるため1日前倒しして始まった。相馬市の松川浦漁港では、相馬双葉漁協所属の漁船から次々にすくい上げられたトラフグが、いけすへと素早く運ばれた。
同漁協ふぐ延(はえ)縄操業委員長の石橋正裕さん(45)は午前3時45分ごろ、相馬市原釜から仲間の漁師と共に出港。約20キロ沖合ではえ縄を仕掛けた。餌にはサンマ、サバなどを使用するという。石橋さんは「昨年の初日以上の数量が取れ、サイズも大きく、幸先のいい滑り出し。県内での消費が増え、トラフグが県全体の観光の目玉になってほしい」と話した。
昨年の本県沖のトラフグの水揚げ量は、漁期の変更や資源保護を目的にした漁獲量の制限により、前年より少ない約30トンだったが、水揚げ金額は1億3千万円で、過去最高を記録した。水揚げされたトラフグの9割余りが相双地区で漁獲された。