第50回衆院選は15日公示され、27日の投開票に向けて12日間にわたる選挙戦が始まった。小選挙区定数の「10増10減」により1減となり、新たな区割りで行われる福島県内は、4小選挙区に11人が立候補した。
自民党派閥裏金事件に伴う政治改革などを大きな争点に、選挙戦では第2期復興・創生期間後(2021~25年度)の復興の在り方や急激に進む人口減少、地方創生に向けた取り組みについても論戦が交わされそうだ。
県内選挙区に立候補したのは前職5人、新人6人。立候補者数は選挙区の1減が影響し、野党共闘による候補者一本化によって過去最少だった2021年の前回(10人)を1人上回るにとどまった。
県内は事実上、自民党と立憲民主党による「与野党対決」が論戦の軸となる。自民はベテランの前職3人が立候補せず、3選挙区に前職1人、新人2人を擁立。福島3区では県連として、前回自民から出馬した無所属前職を支援する方針だ。候補者調整が公示直前まで続いたが、土壇場で全選挙区で戦う態勢を整えた。
対する立民からは、4選挙区に前職3人と新人1人が立候補した。自民に先駆けて候補者を決め、戦いの準備を進めてきた。全選挙区での勝利を掲げるが、前回実現した共産党との候補者一本化がなくなった影響は不透明だ。
共産は3選挙区に新人3人を擁立。福島2区に出馬を予定していた諸派新人は立候補を取りやめた。
県内は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興がいまだ道半ばで、「第2期後」の復興財源については在り方の検討が進められている段階だ。中間貯蔵施設に保管されている除染土壌の県外最終処分や第1原発の廃炉など大きな課題も残る。急激に進む人口減少には歯止めがかからず、物価高騰の影響は県民生活や企業業績を直撃しており、今後の国政の在り方を決める選挙戦の行方は、本県にとっても重要な意味を持ちそうだ。
また、区割り変更で4選挙区となって初めての選挙戦は、ベテランの引退などによる候補者の世代交代が進むなど構図に変化が表れており、有権者の判断が注目される。
福島県内4選挙区立候補者(届け出順、敬称略)
◇1区
亀岡 偉民 69 自 前(5)【公】
金子 恵美 59☆立 前(3)
◇2区
丸本 由美子 62 共 新
玄葉 光一郎 60☆立 前(10)
根本 拓 38☆自 新【公】
◇3区
小熊 慎司 56☆立 前(4)
唐橋 則男 63 共 新
上杉 謙太郎 49 無 前(2)
◇4区
斎藤 裕喜 45☆立 新
熊谷 智 44 共 新
坂本 竜太郎 44☆自 新【公】
☆は比例重複立候補者。丸括弧内は当選回数。【】内は推薦政党。党派の略称は自=自民党、立=立憲民主党、公=公明党、共=共産党、無=無所属。
比例東北、本県関係3人単独立候補
今回から定数が1減の12となる比例代表東北ブロックには、比例単独で本県関係の前職1人、新人2人が立候補した。自民党の新人小林文紀候補(63)が単独18位、立憲民主党の前職馬場雄基候補(32)が単独1位、公明党の新人佐々木伸和候補(43)が単独3位で各党の名簿に登載された。
また、県内4小選挙区に立候補した11人のうち、6人が重複立候補した。