映画やテレビドラマなどで活躍する天栄村出身の俳優和田聰宏(そうこう)さんは8、9の両日、母校である同村の天栄中を訪れ、演劇ワークショップを通して後輩たちに仲間と協力して表現する楽しさを伝えた。
和田さんは同村を舞台にした恋愛映画「恋愛奇譚(きたん)集」や映画「シン・ウルトラマン」などに出演している。今回は村が実施する「ふるさと・夢プロジェクト」の一環で卒業以来、約30年ぶりに天栄中を訪問。2年生約40人を対象に「表現力育成ワークショップ」を開いた。和田さんのほか、俳優の福原冠さんと佐久間麻由さん、脚本家・演出家の笠浦静花さんも講師を務めた。
ワークショップのテーマは「となりのひと物語」。2日間にわたり、生徒が班ごとにそれぞれの思い出深いエピソードを基にした短い劇を創作して披露した。生徒たちは、身の回りのものを小道具に使うなど斬新なアイデアで和田さんらを驚かせた。
中学時代はバスケットボール部に所属し、生徒会長や応援団長としても活躍していたという和田さん。演劇を楽しむ生徒について「想像していたよりもコミュニケーション能力が高いことに驚いた」と話すとともに、「東日本大震災などの災害が発生した時に力になれなかったことが心に引っかかっていた。少しでも恩返ししたかった」と語った。
和田さんはこのほか、母校の天栄幼稚園や大里小、道の駅季の里天栄などを訪れ、地元住民と触れ合った。19日に開かれる天栄中の文化祭にも出席する予定で、生徒が発表する学習発表の劇で成果を見守る。