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「採進堂酒店」オープン 飯坂の文化財が角打ち酒場&宿泊施設に

2025/11/17 08:45

「飯坂温泉と旅行客をつなぐ拠点にしたい」と語る浪木さん(左)

 飯坂温泉の隆盛を今に伝える福島市の国登録有形文化財「旧採進堂酒店(さいしんどうさけてん)」が、リノベーション工事を経て角(かく)打ち酒場と宿泊施設の「採進堂酒店」として16日、オープンした。運営するイノベーションシフト(福島市)の社長浪木(なみき)克文さん(60)は「新たな命を吹き込むことができた。今後はガイドツアーや体験イベントも企画し、飯坂温泉と旅行客をつなぐ拠点にしたい」と決意を語る。

 採進堂酒店は1898年の建築とされ、店の正面や店内に何枚も掲げられた大きな銘酒の看板や店内の雰囲気から、120年前にタイムスリップしたような感覚が味わえる。外観だけでも「地域の財産」ではあったが、老朽化や所有者の高齢化もあり、一時は解体も検討されたという。地元からは再活用を求める声が上がっていた。

 採進堂酒店の1階では購入した酒がその場で飲め、「日本酒王国ふくしま」の地酒15種類が一杯500円で楽しめる。おつまみも一品500円。2階には4室の簡易宿泊施設があり、キッチンやシャワールームも備えられている。今後、角打ち酒場は週末を中心に午後1時から営業するという。地元で旅館や飲食店を経営する男性(59)は「フォトスポットとしても人気が出るだろう。相乗効果で温泉街の活性化につながればいい」と期待し、東京都の男性(45)は「雰囲気がとてもいい」と話した。

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