福島市中心部でクマ目撃　付近に高校や映画館　阿武隈急行と衝突

　福島市中心部の福島交通飯坂線曽根田駅周辺や住宅街で２９日早朝、クマの目撃情報が相次いだ。曽根田駅周辺ではクマと列車が衝突する事故もあった。福島署や福島北署は周辺のパトロールを強化し、住民に注意を呼びかけている。

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　福島署によると、午前５時５０分ごろ、福島市森合字前田の駐車場で、クマを目撃したと通行人の５０代男性から通報があった。クマは西に向かって歩いていたという。５分後には近くの同市曽根田町の県道（通称・飯坂街道）上、同６時２５分ごろには同市森合字前田の市道上で目撃情報があった。クマはいずれも体長約１．５メートルで、同じクマが歩き回った可能性があるという。

　午後４時５０分ごろには、阿武隈急行線下り列車が福島―東福島間の森合字屋敷下を走行中にクマ１頭と衝突した。阿武隈急行によると、線路上に飛び出してきたクマと列車が衝突したという。乗客にけが人はおらず、クマは死んだ。現場は曽根田駅に近く、同署では、周辺で目撃されたクマと同一個体かどうかは不明として引き続き警戒を続けるとしている。

　クマの目撃や衝突があった周辺は曽根田駅から北に約３００メートル、ＪＲ福島駅から約９００メートルの同市森合のガード下周辺で、付近には福島高や映画館、住宅街などがある。

　また、午前６時５０分ごろ、福島市笹谷字南田のスーパー駐車場でクマ１頭を目撃したと、自転車で出勤途中の５０代男性から福島北署に通報があった。目撃場所は店舗や住宅が立ち並ぶ市街地。同署によると、クマの体長は約１メートルで、駐車場から市役所信陵支所の方に走り去ったという。

　列車が運休、遅れ

　阿武隈急行やＪＲ東日本によると、阿武隈急行線福島―東福島間でクマと列車が衝突した影響で運休や遅れが出た。

　列車は撤去作業の後、午後７時２０分ごろ運転を再開。この影響で、阿武隈急行線の上下線普通列車計５本が運休、上り線１本に１時間５０分の遅れが発生。また、東北線では福島―仙台間上下線計２本が運休、計２本に最大約１時間５０分の遅れが発生し、約４７０人に影響した。