福島県福島市の中心部でクマの目撃が相次いでいることを受けて、警察や市、目撃現場に近い小中学校は1日、見回りを強化するなど対応に追われた。
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11月30日にクマが目撃された同市森合では1日朝、市職員が、公用車のスピーカーから注意喚起を呼びかけながら周辺を巡回した。福島署も複数台のパトカーで周囲を警戒するなどした。福島四中や森合小では、登下校時間に教職員らが、通学路に立ち、児童生徒を見守った。
森合小では保護者に子どもたちの送迎を依頼。福島四中は普段徒歩通学の生徒の自転車通学を許可し、部活動を中止にした。5日まで同様の対応を行う。渡部正晴校長は「生徒の安全を考えるとしばらくは安心できない。少しでも明るい時間に下校してもらうなど安全を最優先に対応していきたい」と話した。
市教委は、クマが校舎内に侵入するのを防ぐため、一部の小学校で、校舎昇降口や玄関にあるガラス扉の下方を補強している。
クマが逃げた可能性がある信夫山では、市が「付近でクマ目撃情報あり」との張り紙を掲示した。山中にある観光案内施設「信夫山ガイドセンター」は、予定されている行事などの中止や延期を検討するという。同センターを運営するNPOストリートふくしまの山尾良平理事長は「信夫山には多くの利用者が訪れるが、20世帯ほど民家もある。高齢者も多いため、本当に不安だ」と困惑した。
目撃1905件で最多更新
県警によると、今年のクマの目撃件数は11月末時点で、1905件(前年同期比1294件増)、人的被害は21件24人(同14件17人増)となり、過去最多の更新が続いている。
