芥川龍之介の短編「トロッコ」は、喜びや絶望など目まぐるしく変わる子どもの心理を丁寧に描いている。工事現場で土を運ぶトロッコが好きな少年はある日、念願かなって作業員と一緒に乗り込んだ ▼線路を進み相当遠くまで来たところで、そこから自分の足で帰らなければならないことが分かる。夕闇の中を走り続けて帰宅すると、心細さから解放され大声で泣いた。少年の「冒険」はほろ苦い思い出となった ▼いわき市の炭鉱で働...
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