プラスチック製造の福島三洋プラスチック工業(鏡石町)は、福島県郡山市の開成山大神宮と連携し、境内にある樹木の枝葉を使用したバイオマスプラスチックの「合格祈願 しおりお守り」を製作した。中通り、浜通り、会津の県内の複数の企業も携わった。神社の枝葉を加工したお守りは珍しいといい、関係者は「地球に優しく、持続可能な社会に貢献できる」と期待を込める。
同社は工業部品などを中心に製造している。有機物を原料にしたバイオマスプラスチックの普及に努める中、郡山地域テクノポリス推進機構の仲介で今回の連携が実現した。
お守りは、開成山大神宮の境内にある樹木の枝や枯れ葉に植物由来のプラスチックだけを混ぜたもので、枝葉が55%使われている。
会津の蒔絵(まきえ)で大神宮やサクラの花、「合格祈願」などをデザインした4種類が完成した。プラスチックのもととなるチップの製造や蒔絵、印刷など各工程に、トラスト企画(いわき市)、台和(会津若松市)、神田産業(須賀川市)、工房遊び心(棚倉町)の4社も携わった。
15日から頒布
お守りは15日から、開成山大神宮で頒布する。初穂料は1個1000円。関係者は第2弾としてカード型のお守りの製作も検討している。
宮本孝宮司は「枝葉は通常なら焼却処分されてしまう。境内の生命を新しいものに変え、循環を体現できる」と期待した。福島三洋プラスチック工業の丸本孝太郎さん、穴沢成輝さんは「多くの人の関わりで完成できた。受験生を応援したい」と話した。
