短期決戦!準備に奔走 福島県各選管、28日・解散「総選挙」へ

 
衆院選の資料作成を進める泉崎村選挙管理委員会の職員

 安倍晋三首相が衆院解散を表明した25日、県や各市町村の選挙管理委員会の選挙へ向けた準備は慌ただしさを増した。投票所や開票所として使用している施設に先約があるための代替施設の確保、短期間で有権者への周知をどう図っていくか。首長選などと時期が重なりそうな自治体もある。「与えられた時間で何とかするしかない」。担当職員は準備に奔走する。

 10月10日告示、同15日投票で村長選が行われる泉崎村。同村選管は「二つの選挙で事務作業が約2倍になる。なんとか期日に間に合わせなくては」と不安を口にした。同選管は5人の職員を2班に分け、両選挙に臨む。10月24日告示、同29日投票で町長選・町議選が行われる会津美里町選管は、候補者ポスター掲示板の設置場所の確認に入った。町長選、町議選の掲示板に、衆院選用掲示板が増えるためだ。

 市長選が11月12日告示、同19日投票で行われる福島市、市長選と市議補選が11月19日告示、同26日投票で行われる二本松市でも、正確な作業のための準備が進められている。

 須賀川市では、2カ所の投票所がイベントで使えないため変更となる見込みだ。市選管は「総選挙の見込みの時期を報道で知ったので、前もって口頭でお願いしていた」という。通常、鶴ケ城体育館を開票所に使用していた会津若松市では、今回はイベントで使えないため、ほかの施設での対応を検討。郡山市では、地域の文化祭の予約や学校施設の耐震化工事などで複数の投票所が変更される見通しとなっており、同市選管は「有権者の混乱を招きかねない」として周知徹底を図る考えだ。

 「町民が各地に避難しているため、投票所の立会人の確保が課題だ」と話したのは、原発事故で町民が避難する大熊町選管。県内6カ所に置く投票所や期日前投票所の場所確保には、見通しをつけた。

 会場だけでなく、選挙事務に当たる職員確保も悩みの種。新地町では町の総合防災訓練と期日前投票の日程が重なるとみられ、ある担当者は「職員の確保、調整が難しい」と吐露。10月22日にマラソン大会がある伊達市では、大会運営の手伝いなどで人員が割かれる。担当者は「正直厳しい」と打ち明けた。

 県選管は選挙日程が決まり次第、会場の確保や投票用紙を作製する業者への発注などを本格化させる。