高揚、警戒、けん制、困惑... 対応追われる福島県内各党

 

 「安倍政権打倒だけでまとまることができる」。民進党所属のある県議は、高揚感を隠しきれない表情で衆院選での野党結集への手応えを語った。県議会の一般質問が終了した27日夕、民進党の県議らが所属する「民進党・県民連合」の控室では、県議らが新党「希望の党」との事実上の合流を報じるテレビの画面を食い入るように見つめた。

 控室に戻った民進党の亀岡義尚県連幹事長の携帯電話には関係者からの着信が相次ぎ、対応に追われた。「連携の話は報道で知ったばかりで党本部の状況を見守るだけだ。県連としては県内小選挙区に立候補を予定している5人の当選を目指し、安倍劇場に終止符を打つ」。亀岡氏は戸惑いながらも、言葉を選んだ。

 一方、県議会最大会派の自民党控室では、県連幹部の県議が野党の連携を見据えた協議に入った。午後1時の開会時点では想像もつかなかった事態に、表情は曇る。ある県議は「基本的な考えの異なる政党同士が連携しても、国民の理解は得られない」と批判しながらも野党の動向を警戒。大きな変化を悟った吉田栄光県連幹事長は「大変な選挙になる」とだけ話し、足早に県庁を後にした。

 他党も小池新党を中心とした連携の動きを注視する。自民党と連立を組む公明党の今井久敏県本部幹事長は「(新党は)選挙互助会であり、民意がどう働くか疑問だ」と批判した。

 これまでの野党共闘の流れから一転して立場が変わるのは共産党だ。久保田仁県委員長は次期衆院選の選挙協力を盛り込んだ民進、共産、自由、社民4党の合意内容に触れながら「4党合意をどうするのかが今、問われている」と民進、希望の動きをけん制した。

 民進党の候補者と二つの選挙区で政策協定を結んでいる社民党県連の紺野長人代表は「民進党がどうなるか分からない。状況を見守るしかない」と困惑した。