声からし雨の遊説 福島県選挙区、17候補者が「ラストコール」

 

 選挙戦最終日を迎えた21日、県内5選挙区では各候補者が大票田の都市部を中心に遊説を展開、声をからしながら必死に支持を訴えた。突然の解散で始まり、短期決戦となった今回の衆院選。復興の加速や風評の払拭(ふっしょく)など、本県の抱える課題をどのように解決していくか、各候補者の訴えに対して有権者はどのような選択をするのか。22日の投開票の行方が注目される。

 【福島1区】無所属で民進系前職の金子恵美候補(52)は福島市をはじめ県北全域で選挙カーを走らせ、地元の伊達市でラストコールを行った。自民前職の亀岡偉民候補(62)は相馬地方や伊達地方をくまなく回り、最後は最重点地域に位置付ける福島市に入って打ち上げた。
 友人らと週末を過ごしていた福島市の会社員男性(26)は、候補者選びについて「地方の経済活性化に取り組んでくれること」と話した。

 【福島2区】4候補は大票田の郡山市などで支持拡大を目指した。自民前職の根本匠候補(66)は実績を強調。共産新人の平善彦候補(65)は「打倒安倍政権」を訴えた。希望新人の岡部光規候補(49)は「消費税増税凍結」を連呼。維新新人の西村恵美候補(54)は子育て支援に重点を置いた。
 同市の無職男性(68)は「身近な問題でもある消費税の使い道を注視して投票したい」と話した。

 【福島3区】3候補は大票田の須賀川、白河、田村の3市を中心に遊説。共産新人の橋本健二候補(69)は「消費税増税の阻止」を主張。自民新人の上杉謙太郎候補(42)は「新しい3区の実現」を強調した。無所属で民進系前職の玄葉光一郎候補(53)は「地域への恩返し」に力を尽くすことを訴えた。
 白河市の自営業男性(41)は「復興や国際問題を解決してくれる候補者に投票したい」と話した。

 【福島4区】4候補は選挙事務所がある会津若松市を中心に選挙カーを走らせた。社民新人の渡辺敏雄候補(68)は憲法を生かした政治、希望の民進系前職の小熊慎司候補(49)は「原発ゼロを目指す」と訴えた。共産新人の古川芳憲候補(66)は「命と暮らしを守る」、自民前職の菅家一郎候補(62)は「国政に声を届ける」と意気込んだ。
 喜多方市の看護師女性(61)は「高齢者が安心して暮らせる政策」が投票の基準と話した。

 【福島5区】4候補とも、地盤とする大票田のいわき市で締めくくった。自民前職の吉野正芳候補(69)は公務と他候補応援で、夕方から遊説隊に合流した。希望の党で民進系前職の吉田泉候補(68)はいわき市北部に重点を置き、共産新人の熊谷智候補(37)は同市南部から北上した。社民新人の遠藤陽子候補(67)は同市北部を中心に巡った。
 会社員男性(45)は「復興のために汗をかいてくれる候補を支持したい」と話した。