【衆院選・激流の余波(民進)】地方不在再編嘆く 希望の追い風失速し苦悩

 
衆院選の総括に臨む民進党県連の役員たち=24日午後、福島市

 「民進党がどのような政党、党名になっても、私たちは同志だと言えるよう、前進したい」。

 党福島県連代表代行で、衆院選福島1区に無所属で挑んだ金子恵美は24日、福島市で開かれた常任幹事会で、県連の結束の維持を強く訴えた。

 民進党県連にとっては予期せぬ衆院解散・総選挙だった。新党「希望の党」への民進合流に対し、県連所属の県議の中にも高揚感はあった。ただ、希望の党代表・小池百合子の「排除の論理」発言で希望への追い風は失速し、県連もまた、期待した「風」が吹かない中での選挙戦を強いられた。

 希望の候補者の選対幹部を務めたある県議は「希望が絶望に変わった」と恨み節をこぼした。県内小選挙区に立候補した希望公認の3人のうち、4区の小熊慎司が辛うじて比例復活したが、小選挙区の議席を獲得することはできなかった。

 衆院選を経て、県内の民進系国会議員は、希望、無所属、参院・民進に分裂した。同じ無所属でも、県連代表で3区の玄葉光一郎は希望への合流に深く携わり、金子は希望へ公認申請しないことを自ら決断するなど異なる判断の結果として選挙後の立ち位置は変わった。

 24日に県連幹事長に再任の亀岡義尚は「民進系の国会議員を支援していく方針に変わりはない」とするが、「希望への合流」「立憲民主党への参加」「無所属議員との連携」「民進再結集」など民進系国会議員の動きが複雑化し、県連は難しい判断を迫られている。

 県議団内部にも希望系、立憲民主系と支援労組、政治信条などに関わる分裂の可能性は否定できず、県連幹部は難しいかじ取りが続く。

 県連の苦悩とは裏腹に、中央主導で進められた公示前の合流劇同様、県連には中央政界の動向が伝わってこない。来年の知事選や再来年の参院選、県議選と選挙が続く中、県連組織は一枚岩を維持できるのか。

 ある県連幹部は「党勢が苦しい中でも民進党を支えてくれた地方の党員・サポーターの声に党本部はいつ耳を傾けるのか。これでは人心は離れていくばかりだ」と地方不在の野党再編を嘆く。(敬称略)