自民、立民の現職激突 福島1、3、4区、決戦へ各陣営準備急ぐ

 

 次期衆院選に向けて構図が固まり切らない福島2、5区に対し、1、3、4区は自民と立憲民主の現職同士による一騎打ちが濃厚だ。各陣営は来る決戦へ準備を急ぐ。

 1区は立民の金子恵美(56)、自民の亀岡偉民(66)の両氏が3度目の対決。2014(平成26)年の前々回は亀岡氏が激戦を制したが、野党共闘が実現した17年の前回は金子氏が勝利している。

 金子陣営はコロナ禍での選挙戦を「新しい形での選挙戦となる」とみて、会員制交流サイト(SNS)での支持拡大を模索する。対する亀岡氏は、4年間の任期中で復興、文部科学の両副大臣を歴任。陣営は復興や災害対策などに取り組んだ実績を強調する。

 3区は10選を狙う立民の玄葉光一郎氏(57)と自民の上杉謙太郎氏(46)による3度目の戦い。過去2回はいずれも玄葉氏が勝利したが、前回は上杉氏が比例東北での復活を果たした。

 玄葉陣営は「首相が代わることで自民は盛り返す」と、厳しい選挙戦を覚悟。これまでに比べて地元を巡る機会を増やしている。3度目の挑戦となる上杉陣営は「相手は盤石。一層の知名度向上が必要」と分析し、若さと与党としての実績をアピールする。

 4区は、自民の菅家一郎氏(66)と立民の小熊慎司氏(53)による4度目の争い。過去3度は菅家氏が2勝、小熊氏が1勝と、まさに一進一退の攻防を繰り広げてきた。

 菅家陣営は任期満了に近い状態に「準備期間が取れている」とし、新総裁誕生の勢いを有権者の衆院選への関心につなげたい考え。小熊陣営は「新型コロナの影響で、大人数を集めて浸透を図るような戦い方ができない」として、小規模な会合で支持拡大を狙う。