衆院選「短期決戦」へ臨戦態勢 自民、全勝へ実績強調

 
席の間隔を空けるなど感染防止対策を取りながら拍手で気勢を上げる陣営関係者

 解散から投開票まで17日間の「短期決戦」となる衆院選。19日の公示を目前に控え、立候補を予定する各陣営は一斉に動きだした。県内5小選挙区全てで、自民党と野党統一候補が激突する構図となる中、与野党の各陣営は支持拡大に奔走している。

 自民党が擁立する前職5人は14日の解散後いち早く選挙区入りするなど臨戦態勢を敷いた。福島1区の亀岡偉民は解散翌日の15日夕に福島市で総決起大会を開催。席の間隔を空け、拍手で気勢を上げるなど新型コロナウイルス感染防止対策を徹底しており、党本部から応援弁士を招くなどして士気を高めた。

 各陣営ともコロナ禍での選挙戦に細心の注意を払う。3区の上杉謙太郎陣営は屋内での大規模集会は開かず、街頭演説を重ねて若年層などの票の掘り起こしを図る戦略だ。14日午後、スタッフは迫る選挙戦に向けたはがきやチラシの整理に追われた。

 2区の根本匠は14日夜に地元に戻ると、15日は選挙区内をくまなく歩き、支持固めをした。9選を狙う根本は選挙期間の半分以上を他候補の応援に費やす見通しだ。陣営幹部は「地元選対との連携が鍵になる。一人一人が候補者になったつもりで臨む」と意気込む。

 5区の吉野正芳は15日、関係者へのあいさつ回りに走り、陣営は双葉郡の選対会議や全体の実務者会議を開いた。陣営幹部は「超短期決戦で、新型コロナの影響もあるが、いつも通りに準備を進めたい」と語った。4区の菅家一郎陣営は異例の選挙日程について「(解散の日を迎えても)先が分かっていただけに、特に変わりはない。粛々と準備を進めるのみ」と話した。

 自民前職の5人全員が野党統一候補とぶつかる見通しだ。県連は野党候補一本化の影響を注視しつつ「県内全選挙区での必勝」を目指している。幹事長の西山尚利は「震災後の10年間や東日本台風(台風19号)、本県沖地震、新型コロナウイルスとの闘いの中、自公で作り上げてきた政策の実績を県民に訴えていく」と決意を示した。(敬称略)