投開票所準備、急ピッチ 同日にイベント・町議選、会場や人員調整

 
衆院選の公示に向け準備を進める桑折町職員

 衆院選の公示を19日に控え、各市町村選管の準備作業も大詰めを迎えている。異例の短期決戦に加え、投開票日がほかの選挙やイベントと重なる自治体もあり、担当者は円滑な選挙の実施に向けて調整を急ぐ。

 衆院選の開票所を当初は町民体育館と想定していた桑折町。しかし、町は予定を変更し、醸芳中体育館で行うことを決めた。理由は30、31の両日に町内で予定されている「第28回全国山城サミット桑折大会」の開催だ。新型コロナウイルス感染症拡大のためサミットがオンライン開催に切り替わり、町民体育館を使用する必要があるという。

 サミットと重なったことで、人員の確保も課題となった。町は職員をサミット担当と開票担当の2グループに分けた上で、夕方のサミット終了後に一部職員を開票運営に加えることで円滑な開票を目指す。町役場新庁舎が1月に開庁されてから初の選挙となり、担当者は新型コロナ対策を講じた庁舎内での期日前投票所のレイアウトづくりなどの準備を慌ただしく進める。「サミットの成功とスムーズな開票作業に向けた態勢を整えたい」。本番に向け、気の抜けない作業が続く。

 31日に市民まつりなど大型イベントが予定されている相馬市は、開票に当たる職員を4年前の前回より20人減らさざるを得ず、約60人態勢で開票に臨む。票の自動読み取り分類機の活用や、職員の模擬訓練で本番に備えるという。郡山市は11月上旬の衆院選を想定していたため、投開票事務に当たる職員の確保を改めて進めている。

 会津美里町は26日告示、31日投票で町議選を行うため、衆院選との「ダブル選挙」となる。投票用紙の二重交付防止や投票者の動線確保のため、投開票所の配置などを見直し、30の投票所に各1人程度、開票所には約30人の関係者をそれぞれ増員することにした。担当者は「円滑な選挙に向け、限られた期間で確実に準備を進めたい」と力を込める。

コロナ感染予防万全に

 開票作業に向けた態勢づくりとともに、各選管が進めるのが投票所などの新型コロナウイルス対策だ。

 喜多方市選管はホームページ上で、4年前の衆院選の期日前投票の状況を公開している。

 前回の混み合った時間や日付を提示することで、密集を避けてもらうのが狙い。混雑が予想されることから、30日は市役所ホール棟1階の期日前投票所を2階部分まで広げる対応も取る。

 天栄村選管は「3密」回避のため、期日前投票所を従来の村役場会議室から村体育館に変更した。広い会場にして出入り口を分け、投票者同士が接触する機会を減らす考え。福島市選管は投票所への飛沫(ひまつ)防止シート設置などの準備を進め、開票所でも職員同士が密にならないような対応を取る方針だ。担当者は手指消毒などへの協力を求めた上で「有権者が安心して投票できるよう取り組む」とした。