【衆院選・福島県内世論調査】激戦1、4区 5小選挙区の情勢分析

 

 31日投開票の第49回衆院選で、福島民友新聞社は19、20の両日、読売新聞社と共同で世論調査を行い、調査結果に取材で得た情報を加味し、県内5小選挙区の情勢を分析した。全選挙区で与野党候補の一騎打ちとなる中、4度目の対決となる4区は競り合いを繰り広げ、1区はやや先行する立憲民主候補を自民候補が猛追している。2、5区は自民候補、3区は立民候補がリードする展開。ただ、有権者の2割程度が態度を決めておらず、投票まで流動的な面が残る。(敬称略)

 ◆1区

 立民前職の金子恵美がやや先行、自民前職の亀岡偉民が猛追している。
 金子は立民支持層の9割強、共産支持層の8割強を固め、他の野党支持層にも広く浸透している。亀岡は自民支持層の約8割、公明支持層の9割弱をまとめた。無党派層は5割弱が金子で、亀岡は2割弱にとどまっている。
 年代別では金子が50代以上、亀岡は40代以下で優位に立つ。職業別では農林水産業の6割超が亀岡を支持、サラリーマンや専業主婦は金子がやや上回った。

 ◆2区

 9選を目指す自民前職の根本匠がリードし、立民新人の馬場雄基が挑む構図となっている。
 根本は自民支持層の9割弱、公明支持層の8割弱を固めた。馬場は立民支持層の9割弱、共産支持層の8割超をまとめ、無党派層の4割弱からも支持を得る。
 根本は各年代に浸透しており、女性から高い支持を得る。馬場は60代以上の支持が多い。職業別で農林水産業や専業主婦の半数以上が根本を支持し、商工自営・自由業は5割弱が根本、4割強が馬場を支持する。

 ◆3区

 10選を狙う立民前職の玄葉光一郎が安定した戦いを進め、自民前職の上杉謙太郎が追う展開。玄葉は立民支持層の約9割、共産支持層の9割弱をまとめ、無党派層や他党支持層にも食い込む。上杉は自民支持層の8割弱を固めた。
 玄葉は60代以上で半数超の支持を得るなど、各年代に広く浸透している。上杉は50代以上で支持を広げている。職業別ではサラリーマン、商工自営・自由業、専業主婦などで玄葉が上回るが、農林水産業では上杉が優位となっている。

 ◆4区

 互いに4選を懸け、初の一騎打ちに挑む立民前職の小熊慎司と自民前職の菅家一郎が激しく競る。
 小熊は立民支持層の約9割、共産支持層の8割弱をまとめ、無党派層でも支持を広げる。菅家は自民支持層の約8割、公明支持層の8割弱の支持を固めた。
 年代別で小熊は30代以下と60代以上で浸透し、菅家は40、50代で優位に立つ。職業別では、小熊が商工自営・自由業と無職を中心に支持を集め、菅家は農林水産業、サラリーマン、専業主婦で上回っている。

 ◆5区

 自民前職で8選を目指す吉野正芳が安定した戦いぶりを展開、共産新人の熊谷智は浸透を図る。
 吉野は自民支持層の9割弱、公明支持層の約8割をまとめた。熊谷は共産支持層の約9割を固め、立民支持層の6割強にも支持を得ており、無党派層では吉野を上回っている。
 職業別で吉野が農林水産業の7割弱、商工自営・自由業の6割弱の支持を集めるなど広く浸透。年代別では、60代で吉野と熊谷が拮抗(きっこう)しているものの、他の世代は吉野が優位に立つ。

 調査の方法 調査は19、20の両日、県内の5小選挙区を対象に、コンピューターで無作為に作成した固定電話と携帯電話の番号を使い、調査員による調査と自動音声による調査を組み合わせて実施した。福島1~5区の合計で3164人から回答を得た。