福島県5小選挙区、当選ライン上昇か 各陣営「票読み」本格化

 

 衆院選は31日の投開票まであと3日に迫った。最終盤を迎え、県内5小選挙区で議席を争う10陣営は、投票率や当選ラインなどの「票読み」を本格化。福島民友新聞社の取材では、全選挙区で「自民」対「野党統一候補」による一騎打ちとなったことなどを踏まえ、大半の陣営が当選ラインは前回から上昇すると想定、最終盤に向けて票の掘り起こしに全力を挙げる。

 投票率も与野党対決が鮮明になったことで多くの陣営が上昇すると予想。ただ、新型コロナウイルス感染症の影響や立候補者の減少から低下を予想する陣営もある。

 【1区】金子恵美陣営は前回と同じ顔触れであることなどから前回並みの投票率と予想。大票田の福島市の浮動票獲得が鍵になるとみる。亀岡偉民陣営は岸田総裁誕生に対する期待感などから投票率は上昇するとみる。保守層の支持固めや無党派層取り込みを狙う。

 【2区】馬場雄基陣営は、有権者に分かりやすい与野党対決となったことから、投票率は前回を上回る56%前後を想定。根本匠陣営は、解散を見越した6月ごろからの票固めの成果が数字に直結すると読み、投票率を57%と設定。当選ラインは両陣営とも10万票とみる。

 【3区】上杉謙太郎陣営は前回より「投票率が上がってくれれば」と考えている。当選ラインは前回を上回る10万票と設定。玄葉光一郎陣営は現行の区割りでの最後の選挙戦で盛り上がるとみて投票率を「61~65%」と想定、8万票台の争いになるとみている。

 【4区】小熊慎司陣営は「自民党への批判票という形で有権者が意思表示をするのでは」と投票率の上昇を見込む。菅家一郎陣営は「コロナによる外出控えの傾向が染み付いているのでは」と低下を予測。当選ラインは7万2500~8万票とみている。

 【5区】熊谷智陣営は、与野党の一騎打ちとなったことで投票率は前回から上昇し「50~54%」と想定、当選ラインを9万票強に置く。一方、吉野正芳陣営は候補者減などの影響で投票率の低下を危惧。前回並みの50%に設定した上で、10万票を当選ラインとした。