衆院選、集票ラストスパート 10月31日投票、与野党総力戦

 

 第49回衆院選は31日、投票が行われ、即日開票される。県内5小選挙区に、自民、立憲民主、共産の各党を合わせて前職8人、新人2人の計10人が立候補。全ての選挙区で「自民」対「野党統一候補」による一騎打ちの構図となる中、県内各党は30日、小選挙区での勝利と比例票の上積みに向けラストスパートをかける。

 自民は激戦が続く福島1区を重点に県内全域で支持拡大を図る。西山尚利県連幹事長は「県民の負託に的確に応えることができるのは、責任政党であるわが党とその候補者。最後の最後まで、県内各地で支持を呼び掛ける『総力戦』を展開していく」と強調。連立を組む公明の伊藤達也県本部幹事長も「党の強みである実現力、自公政権の安定を訴え、最後まで粘り強く支持を広げる」と訴える。

 一方、全選挙区で共闘を実現した野党。立憲民主党県連の亀岡義尚幹事長は「分かりやすい選択肢の中で草の根の選挙戦を続ける」と意気込み、共産党県委員会の町田和史委員長は「幅広い層から応援をいただき勝利を訴える」と強調。社民党県連の狩野光昭代表は「党の存在を再認識してもらえている」と手応えを感じ、国民民主党県連の渡部勝博代表は「『対決より解決』と訴え続ける」と語る。

各陣営、都市部に照準

 県内の5小選挙区を戦う各陣営も、選挙活動最終日の30日、大票田の都市部を中心に遊説し、最後まで票の掘り起こしを図る。(敬称略)

 【1区】金子恵美は福島市郊外をスタートし、川俣町、相馬市など全域を巡る。夕方に福島市中心部、夜は伊達市に入り遊説を打ち上げる。亀岡偉民は南相馬市や相馬市、相馬郡、伊達郡など全域で遊説を展開。その後、激戦区の伊達、福島両市での打ち上げ式に臨む。

 【2区】馬場雄基は有権者の約8割を占める郡山市に絞って遊説を展開し、市街地を中心に最後まで浮動票の掘り起こしを狙う。根本匠は郡山市の東部や中心部を重点に選挙カーを走らせる。各地で街頭演説を行い、8期にわたる実績を訴え支持固めを図る。

 【3区】両陣営とも大票田となる地域を中心に回り、浸透を図る。上杉謙太郎は白河市を出発して西白河郡、岩瀬郡の各町村を巡り、最後は須賀川市で支持を訴える。玄葉光一郎は白河市周辺を遊説した後、最後は地元の田村市に入って支持基盤を固める。

 【4区】小熊慎司は会津若松、喜多方の両市と会津美里町を巡る。菅家一郎は会津若松、喜多方の両市に集中して遊説する。両陣営とも大票田とみている人口の多い地域を中心に回り、まだ投票先を決めかねている浮動票をすくい上げたい考えだ。

 【5区】熊谷智、吉野正芳ともにいわき市全域を巡り、票の上積みを図る。反自民票獲得を進めてきた熊谷は浮動票が鍵を握るとし、遊説や電話などで掘り起こしを狙う。吉野は組織固めを進めながら、コロナ下で街頭演説を控える分、細やかに遊説を展開する。