有権者、最後の訴えに耳 福島県内で各候補ラストコール

 
候補者の最後の訴えに耳を傾ける有権者たち

 選挙戦最終日を迎えた30日、県内5選挙区では、各候補が都市部を中心に遊説を展開し、声をからして支持を訴えた。新型コロナウイルス感染症で疲弊した地域経済の活性化や東日本大震災からの復興、災害に強いまちづくりなどについて主張した各候補。貴重な1票を投じる有権者たちは、最後の訴えに耳を傾けた。

1区

 両候補は大票田の福島市をはじめ、伊達や相馬地方で選挙カーをくまなく走らせた。ラストコールは立民前職の金子恵美候補(56)が伊達市、自民前職の亀岡偉民候補(66)が福島市で行い、支持を訴える遊説活動を締めくくった。

 福島市の飲食店従業員の男性(38)はコロナ禍の影響を踏まえ「早期に街が活気づく政策を求める」と危機感を募らせつつ遊説を眺めていた。

2区

 立民新人の馬場雄基候補(29)は郡山市中心部で集中的に遊説した。公認候補の擁立を見送った共産党も選挙カーから馬場候補への投票を呼び掛けるなど、野党一体で無党派層の取り込みを図った。

 自民前職の根本匠候補(70)は選挙区内の市部全域を巡り、郡山市でラストコール。閣僚経験や8期にわたる実績、岸田文雄首相との良好な関係を強調し、有権者に自公政権の継続を訴えた。

3区

 自民前職の上杉謙太郎候補(46)は白河市や須賀川市で遊説、県産農林水産物の輸出推進など今後の展望を示した。立民前職の玄葉光一郎候補(57)は白河市や田村市を巡り、新型コロナや災害から住民を守り抜く政治の必要性を強調した。

 白河市の自営業男性(40)は「コロナ禍で疲弊した地域経済を活性化させてくれる人に投票したいと思う」と話した。

4区

 両候補は大票田の会津若松、喜多方の両市中心に選挙カーを走らせ、支持を訴えた。立民前職の小熊慎司候補(53)は地域格差の是正に取り組む考えを示した。自民前職の菅家一郎候補(66)は国と地方のパイプ役を務める姿勢を強調した。

 会津若松市の自営業の60代男性は「暮らしがよくなったと実感できるよう取り組んでくれる人に投票したい」と話した。

5区

 2候補とも大票田のいわき市全域で遊説した。共産新人の熊谷智候補(42)は応援の国会議員と共に各所を巡り、政治転換の必要性を強調した。自民前職の吉野正芳候補(73)は山間部なども含めてくまなく地域を回りながら、復興への思いを訴えた。

 同市の男性(72)は「復興、処理水問題などの課題に対しては、党ではなく個人の思いを国会で政策に反映してほしい」と求めた。