福島5区・吉野さん圧巻の勝利 復興重視「課題解決したい」

 
支持者から花束を受け涙ぐむ吉野さん=31日午後8時5分ごろ、いわき市

 31日投開票の衆院選では、「共闘」を追い風に野党が県内3選挙区で議席を確保した。いずれも立民前職の金子恵美さん(56)=1区=が自民前職との3度目の戦いを制し、玄葉光一郎さん(57)=3区=は節目となる10選目、小熊慎司さん(53)=4区=は前回の雪辱を果たした。一方の与党も自民前職の根本匠さん(70)=2区=と吉野正芳さん(73)=5区=の両大臣経験者が盤石の戦いで貫禄を見せた。日本そして本県の未来に向け、県民の思いが託された。

 いわき市の吉野さんの事務所には開票開始直後に「当選確実」の吉報が届いた。支持者から大きな拍手が起こり、8期目の当選を祝った。

 2年前に転倒したけがの影響を抱えながらも精力的に遊説を行った。中でも帰還者の少ない双葉郡を複数回巡ったのは、復興を重視する姿勢からだ。これまでに築いてきた組織を中心に実績を訴え、まさに貫禄の勝利だった。

 事務所入りは30日に転倒して膝をけがした影響で車いす姿となったが、花束を受けると涙ぐみながら喜んだ。吉野さんは「有権者の思いをかみしめて頑張らなければ」と述べ、「被災地には処理水をはじめ多くの課題がある。一つ一つ解決していきたい」と誓った。