【衆院選・激戦の先に】自民/福島県連、選挙区3敗「危機感」

 
衆院選の結果を分析する自民党県連の役員=1日午前、福島市

 県内五つの選挙区で「自民」対「野党統一候補」による一騎打ちとなった第49回衆院選。自民は公示前の5議席を維持したものの、小選挙区での勝利は2選挙区にとどまった。一方、3選挙区を制した立憲民主は比例東北を含め4議席と勢力を拡大。県民の審判を受けた県内各党の動きを追った。(敬称略)

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 「あくまでも2勝3敗。小選挙区の結果を厳粛に受け止めなければならない」。開票から一夜明けた1日、福島市の自民党県連に集まった幹部からは厳しい声が上がった。

 党が単独過半数を獲得する中、県内小選挙区では接戦となった4区で議席を奪われるなど、候補者を一本化した野党の攻勢に苦戦を強いられ、2区では立民新人の比例東北での復活当選を許した。県連幹事長の西山尚利は「震災と原発事故以降、政権に対する厳しさが続いている中で『1対1』の格好になった。(野党共闘に)相当の危機感を持って臨んだが、3選挙区で及ばなかった」と悔しさをにじませた。

 一方、選挙区で敗れた1、3、4区の前職3人が比例復活当選を果たし、県連内には公示前の5議席を堅持したことへの安堵(あんど)も広がる。序盤から3選挙区に重点を置いて徹底した組織戦を展開、政権与党としての政策や実績を訴えた。結果、前回に続く与野党の一騎打ちとなった1区で約4500票、4区で約5500票、3区では1万6000票以上得票を伸ばした。各選挙区とも大幅に差を縮め、復活当選につなげた。

 県連は今月上旬にも選対委員会を開き、選挙戦の総括に入る。小選挙区での敗北について県連内には「政策や理念が一致しない野党の共闘に対するアレルギーが強いはずの『保守層』を固めきれなかった」ことが要因とみる向きも多い。来夏の参院選が迫る中、「いかに保守層を固めるか、分析が必要だ」と西山。候補者の擁立作業も加速させる考えで、次の決戦に向けた臨戦態勢の構築を急ぐ。

 公明、比例票が減少

 自民と連立政権を組む公明党は、比例東北で前回失った2議席目の奪還を目指したが、かなわなかった。県内で獲得した比例票は約9万9千票で、前回から1800票余り減少した。県本部幹事長の伊藤達也は「2議席獲得を目標に戦ったが、あと一歩届かなかった。自公連立政権での政策の実現に向け、国民からの信頼に応えられるよう成果を上げていく」と語った。