独特のリズムから繰り出すドリブルはチーム唯一無二の武器だ。加入２年目の今季は主に選手交代時の切り札的役割を担い、攻撃のギアを上げる活躍が光る。

　活躍の裏には考え方の変化がある。武器のドリブルで「良いプレーをしよう」と考えることが多かったが、今は「どうやって得点に絡もうか」という意識が強い。相手に挑むようなドリブルを意識的に増やし、得点に直結することを目指す。

　普段は海外選手の好プレーを集めた動画をよく見て、刺激を受けている。元アルゼンチン代表のパブロ・アイマールは特に憧れを抱く選手の一人。「一昔前の心踊るプレーをする選手が好き。このわくわくがサッカーをする原点でもある」

　スポーツ観戦はあまりしないが、野球のワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）は例外で大いに楽しんだ。大谷翔平のような豪快さも好きだが「一癖ある投球フォームが良い」と巨人の大勢に心引かれた。技術で違いを見せる自身のスタイルと近いものを感じている。

　子どもの頃は勉強が得意だった。「答えがあるから」数学が好きで「学問を深める未来があったかも」と笑う。