【2023の顔】有馬 幸太郎 FW 背番号10 / 復活期すドリブラー

 
ありま・こうたろう 茨城県出身。昨季、鹿島から完全移籍。一昨季までJ2で42試合に出場した。181センチ、71キロ。22歳。

 試練の日々が続いている。4月初旬、約半年間のリハビリなどを経てけがから復帰したが、その復帰戦で相手選手と接触し、右ひざの靱帯(じんたい)を損傷して再離脱となった。現在は3か月程度の治療期間を見込んで、再度のリハビリに励んでいる。

 「(けがについてさまざまなことを)思っていても、それを表に見せない。人間性がすばらしい」。有馬の復帰を待ちわびる村主(すぐり)博正監督は、その強い精神力をたたえる。

 前回の離脱のきっかけは右膝の打撲。ひざに血がたまり、長く痛みが引かなかった。治療に合わせて、けがの一因となった右脚の筋肉の弱さにも向き合い、改善を図った。

 昨季、推進力のあるドリブルを武器に、離脱するまでの24試合で8得点を挙げた。「昨季は優勝争いをする中で試合に出られないのは苦しかった。後半戦は点を取れなかった」と悔しさを口にする。

 小学生の頃から鹿島アントラーズの下部組織に所属し、プロ選手になった。学生時代、サッカーにのめり込む毎日を過ごしながら、「普通に部活動を楽しむ友人の生活にも憧れがあった」と当時を振り返る。