新井が執念の先制ゴール いわきFC全国決める、社会人選手権東北予選

 
【いわきFC―コバルトーレ女川】前半24分、先制点を決めるいわきFCのMF新井(左)=相馬光陽サッカー場

 サッカーの第52回全国社会人選手権大会東北予選会最終日は8日、相馬市の相馬光陽サッカー場で第1、第2代表決定戦2試合が行われた。

 第1代表決定戦に臨んだいわきFC(県社会人リーグ2部)はコバルトーレ女川(東北社会人リーグ1部)を2―0で下し、全国大会出場を決めた。県勢チームの全国大会出場は4年ぶり。

 いわきFCは前半24分、右からのクロスに反応したFW片山のパスをFW新井が右足で流し込み先制。後半6分には片山がペナルティーエリア外からシュートを決め、突き放した。断続的に強い雨が降る悪天候となったが、いわきFCは終始試合をリード。集中力も切らさず、相手を無得点に抑えた。

 全国大会は10月21日に愛媛県で開幕する。全国大会を勝ち抜くと、日本フットボールリーグ(JFL)への昇格を懸けた全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2016への出場権が得られる。

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 仲間がつないだボールを落ち着いて決めた。

 先制のゴールを挙げたいわきFCのMF新井伶治。「(2回戦で)仲間に助けてもらった分、今日は得点したかった」と最高の結果に笑顔が絶えなかった。

 7日の2回戦、新井はペナルティーエリア内でハンドを取られ、同点に追いつかれるPKを献上。試合は延長戦で決着がつかずPK戦にもつれ込む激戦となった。「迷惑をかけた分、活躍したかった」と話す新井はゴールへの執念を燃やし、代表決定戦に臨んだ。

 先制点を奪うまで一進一退の攻防が続いた。「(2回戦の)接戦を経験した分、じれずにやれば勝てる」と確信していたという新井。悪天候でも最後まで気を抜かずにピッチを走り回り、チームの勝利に貢献した。

 J参入を目指すいわきFCにとって全国大会は試金石となるが、新井は「やることは変わらない。自分たちのサッカーを磨くだけ」と自然体だ。兄涼平はJ1ヴァンフォーレ甲府(山梨)に所属している。「将来は同じ舞台で戦いたい」。新井はJでの兄弟対決を思い描いた。