いわきFC、攻め貫く...司令塔が躍動2点 東北クラブサッカー

 
【八幡平トーレゾール―いわきFC】前半8分、先制弾を決めたいわきFCのMF久永=山形市球技場

 山形市の市球技場で5日に行われたサッカーの第23回全国クラブチーム選手権大会東北予選会決勝。本県第1代表のいわきFCは、準決勝で東六クラブノスタルジア(宮城県第1代表)に7―0で快勝し、連戦となった決勝は、八幡平トーレゾール(岩手県第1代表)を3―2で破り、同予選会初優勝を果たした。

 強いフィジカルで導く

 気温30度を超える猛暑の中で行われた4連戦を締めくくる決勝で、いわきFCの司令塔が2得点と躍動した。MF久永翼は「連戦の上に一日で2試合。みんな疲れている中でも負けられない」と、蓄積された疲労に打ち勝つ強い精神力で決勝に臨んだ。

 決勝の約4時間前に始まった準決勝でフル出場。「体力と運動量が持ち味」の久永は決勝でもフル出場した。疲労が積み重なる中でも運動量を落とすことなく、味方FWや久永の動きに反応する相手DFの背後を積極的に狙った。

 前半8分、一瞬の隙を見逃さなかった。自陣深くからのFK。敵の意表を突く素早いリスタートで、相手の反応が遅れた。「いいパスがきた」。高い精度のロングパスに遅れることなく動き出した久永はドリブルで持ち込み、シュートをネットに突き刺した。その後も豊富な運動量と強いフィジカルで攻撃を先導した。

 久永はいわきFCに入団後、フィジカル練習に加え、食事の内容やタイミングまで配慮してきた。体脂肪を減らしつつ、体重は5キロほど増加。「(大学時代より)今のほうが動けるし、当たり負けしない」と自身の進化を実感する。

 「できたばかりのチーム。どんどん勝ち癖をつけていきたい」。体と技の成長を続ける指令塔がチームを勝利に導く。