いわきFC進化証明 サッカー天皇杯県予選V、全国の強豪に挑む

 
駆け付けたサポーターの前で勝利を喜ぶいわきFCのイレブン

 福島市のとうほう・みんなのスタジアムで9日行われたサッカー天皇杯県代表決定戦で頂点に立った、いわきFC。チームが目標に掲げるJリーグの舞台で既に活躍する福島ユナイテッドからの勝利に、選手、サポーターは喜びに浸り、県代表として強豪チームに挑む全国舞台に早くも闘志を燃やした。

 選手会長の菊池将太選手は"格上"相手の勝利に「本当に勝てて良かった。ようやくJリーグチームに勝てた実感が湧いてきた」と胸をなで下ろした。「気負い過ぎた」という昨年と違い、2度目の対戦は自然体で試合に臨めたという。チームは確実に成長し、進化を遂げている。

 Jリーグ入りを目指すいわきにとって、今回の優勝は「通過点」。今後、全国大会や県社会人リーグ1部の開幕が控える。サポーターも期待するJリーグを舞台にした「福島ダービー」の実現には、乗り越えなくてはならない壁が立ちはだかる。菊池選手は「いずれはJ1で福島と対戦したい。昇格に向け、全国で福島の代表チームにふさわしい戦いをしたい」と表情を引き締めた。

 「このまま日本フットボールリーグ(JFL)昇格へ」。いわき側のスタンドは試合終了のホイッスルと同時に歓喜の渦に包まれ、涙ぐむサポーターも。応援団体「レッドアンダードッグ」のコールリーダー小口淳さん(48)は「言葉にならない。福島に勝てたことはJ3で戦える力があることの証明だ」と目を赤くした。Jリーグで戦う格上チームの存在は、いわきのサポーターにとっても大きな目標だ。小口さんは「福島は偉大な先輩チーム。これからも熱い戦いを期待したい」と話した。

 「ラトブ」に大型号外

 福島民友新聞社は10日、いわきFCが初の天皇杯県代表切符を手にしたことを報じる大型号外を発行、いわき市平のJRいわき駅前にある商業ビル「ラトブ」などに掲示した。大型号外は新聞見開き分の大きさ。9日の試合直後には号外を発行した。