【いわきFC・勝つ理由】筋力強化食事が柱 高タンパクで低脂肪
「相手に当たり負けず、最後まで走りきること」。 Jリーグ入りを目指す、いわきFCのこの命題を試合で実現するため、選手の筋力強化がチームづくりの柱になっている。
筋力強化には「運動・栄養・休養」のバランスが欠かせない。いわきは親会社のドームが全面的に協力し、栄養士が考案したメニューを選手に提供する食堂をいわきFCパークに隣接するドームの物流センター内に完備して、選手の食生活を支えている。
食堂では栄養士が選手に必要な栄養素やカロリーを計算、高タンパク質で低脂肪のメニューを提供している。ほとんどの選手が一人暮らしのため、食堂を利用している。
「これほど選手のために考えられた食事を、毎日3食提供しているのはJ1、J2でも珍しい。筋肉量を増やすことに特化した食堂はありがたい存在」。今春、筑波大から入団したFW高柳昂平(23)は食生活に満足している。
肉体改造の専属コーチ鈴木拓哉(36)によると、筋肉は約2~3カ月のうちに大部分が新たなタンパク質と入れ替わるため、トレーニングの効果を高めるには良質なタンパク質を多く取り入れた食事が日々必要になるという。食事のほか、練習中や練習後にプロテインの摂取を選手に課しており、就寝前にも摂取を薦めている。
また、筋肉量を増やすタンパク質以外にも、専門の医師が血液検査で確認した各選手の血液中の疲労物質に応じて、アミノ酸などの栄養補助食品(サプリメント)も提供している。FW吉田知樹(19)は「食事のほかに取る、サプリメントの活用が体調維持に効果的」と話す。
Jリーグのトップチームに引けを取らないさまざまな環境がいわきの躍進を支える。「この子たちはまだまだ強くなる」。発足からわずか1年半。チームを束ねる指揮官、田村雄三(34)の言葉通り、未完成の若き選手の挑戦は始まったばかりだ。(文中敬称略)
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