いわきFC、猛攻振り切り3位、パシフィックリムカップ

 
【いわき―バンクーバー】決勝点となるPKを決めるMFバイロン=10日、アロハスタジアム

 アジアと北中米のサッカークラブが頂点を争う国際大会「第2回パシフィックリムカップ2019」最終日は10日(日本時間11日)、米ハワイ州ホノルルのアロハスタジアムで決勝と3位決定戦が行われた。

 いわきFC(東北社会人1部)は3位決定戦でカナダのバンクーバー・ホワイトキャップス(MLS)に1―0で勝利し、3位となった。

 決勝はV・ファーレン長崎(J2)が米国のレアル・ソルトレーク(MLS)を3―1で下し、2代目王者に輝いた。試合に先立ち、浜通りの高校生選抜チームとハワイの選抜チームによる親善試合も行われた。

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 いわきはバンクーバーの猛攻を振り切り、PKの1点を守り切った。

 いわきは第1戦から先発3人を入れ替え、1トップに平岡を置く布陣。中盤の選手を増やしたが、攻撃にうまくつながらずシュートを浴びるなど攻め込まれた。

 互いに無得点で迎えた後半はMFバイロンらを投入、サイドからの攻勢を強めた。後半42分、バイロンが自ら獲得したPKを決め、そのまま逃げ切った。

◆バイロン執念PK弾

 「絶対真ん中に蹴ってやろうと思っていた」。途中出場したMFバスケス・バイロンの勝利への執念がMLS(メジャーリーグサッカー)を戦う猛者を打ち砕いた。

 1戦目と同じく後半に投入された。「どんどんボールに触ってリズムをつくろう」。合流間もないチームで足りない連携力をその積極性で補った。右サイドでボールを受けると、得意のアウトサイドからのカットインでDF2人の間を抜き去るなどすぐにゴールのにおいを漂わせる。

 残り3分、FW小枇ランディがゴール前に折り返したボールに反応。ペナルティーエリア内で反則をもらってPKを獲得すると、キッカーを直訴した。決めていたというど真ん中に蹴り込むと相手GKの足をはじいたボールはゴールに吸い込まれた。

 青森山田高で全国高校選手権優勝を果たし、鳴り物入りでいわき入り。ハワイ遠征でも先輩選手の脚力を上回る身体能力の高さも示し、レギュラー争いに堂々と名乗りを上げた。

 「まだ守備が足りない」と課題を挙げながら「攻撃は自信を持ってできた」と海外勢との戦いでも手応えを得た。  サッカー界注目の18歳。これからどんな成長を遂げるのか。いわきに新たな楽しみが加わった。

▽3位決定戦

いわきFC1―0バンクーバー・ホワイトキャップス

(0―0 1―0)

▽決勝

V・ファーレン長崎3―1レアル・ソルトレーク

(2―0 1―1)