「スポーツ医療を育てたい」 いわきFCチームドクター・斎田さん

「古里いわきでスポーツ医療を育てたい。環境もドクターも一緒に」。サッカーいわきFCのチームドクターは、選手だけでなく市民の健康をも支える新しいスポーツ医療の姿を描き続ける。
選手を普段から総合的に指導し、けがをした場合には応急処置、手術の判断をするスポーツドクター。高校1年の時、サッカーで膝をけがし手術した。けがを経験し、将来を考えた時にスポーツドクターに興味を持った。
浜通りは震災後の医療過疎が進む。「いわきにスポーツ医学を学べる環境があれば、関心は高まる」と考えた。それがいわきFCクリニックの開院につながった。
県外出身の若手医師が週末、いわきで診察する。最新のオンラインシステムを使って、順天堂大のベテラン医師が映像を通して同時進行で診察を見守ることができる仕組みは、地域医療のためにも、医師のトレーニングにもなる。
クリニックは市民も診察対象だ。スポーツ選手も高齢者も運動レベルが違うだけで根本的には同じ。誰もが運動中に熱中症や脳振とうを起こし得る。全体を診るスポーツ救急医(プライマリーケア医)の存在を広めたかった。
もう一つ、やりたいことがある。イタリアサッカーの名門ACミランで研修して痛感した「予防医学」の発信だ。日本人は、体に不具合が出て初めて医師にかかる。けがをしないような体づくりを応援して、市民の健康増進にも貢献するつもりだ。
クリニックの壁には、日本語とイタリア語で一文が記されている。「怪我の予防に勝る治療はない。自分の体が最強のプロテクターだ」
斎田良知(さいた・よしとも) 43 いわき市出身。磐城高、順天堂大医学部卒。医師、いわきFCクリニック院長、日本スポーツ外傷・障害予防協会代表理事などを務める。
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