『香り』で力引き出せ!いわきFC ロート製薬メンタル維持へ
サッカーのいわきFCは、香りに関する研究を行うロート製薬の「ベレアラボ」と共同で、スポーツ選手の精神的な疲労回復に香りが役立つかを検証する新たな事業に乗り出す。情報通信技術(ICT)の活用など革新的な取り組みに挑み続ける同クラブが、今度は「香り」の新しい価値追求に挑む。
検証は、同ラボが調合した「フレッシュな緑の香り」を公式戦の試合開始前やハーフタイム、試合終了後に選手がかぐなどし、疲労度や主観的な気分、ゲーム内容に変化があったかなどを評価する。16日にいわき市で行われる東北社会人リーグ1部のホーム戦からスタートする。
期間は10月6日までのホーム戦8試合。同FCを運営するいわきスポーツクラブによると、香りの活用は精神的な疲労の軽減や回復をサポートするとした仮説があり、スポーツ選手への効果を確かめる。選手の控室に香りを放つ機器を設置するなどし、香りをかいだ日とかいでない日の試合やプレー内容を比較することで効果を科学的に検証する計画だ。今回のようにスポーツの公式戦での検証は、全国的にも珍しい取り組みになるという。
ロート製薬は検証で得られた知見をスポーツ分野で役立てるほか、一般への応用なども検討する方針。
同社によると「これまで香りは単なる感覚の一つと考えられてきた」といい、今回の事業は「やってみないと分からない部分もあるが、選手の主観的な精神疲労度の変化をみて、他分野での活用も検討したい」としている。
テストで実際に香りをかいだ、同クラブの片山紳選手(26)は「この実験を通して自分自身のメンタルがどう変化し、サッカーにどんな影響があるのか気になる」とした上で「JFL昇格に向けた、厳しく緊張感のある試合を戦う中で、いい影響があればうれしい」とこれから始まる検証に期待を寄せている。
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