【コラム】WALK TO THE DREAM-39 運営モデル、いわきから

 

いわきスポーツクラブ・大倉智社長

◆スタジアム構想

 いわき市が進めていた「スタジアムを中心としたまちづくり事業可能性調査」の結果が6月に出た。4カ所でスタジアム整備と運営の可能性を検証したが、全てのエリアで年間数千万円の赤字が出ると想定された。

 国内のスタジアムの運営実情はどこも厳しく、既存の運営スタイルに基づいた調査結果は想定範囲内だった。見えてきた課題の解決に向け、行政や地域と一緒に採算が取れるビジネスモデルを考えていきたい。

 議論は、欧米のスタジアム運営などを念頭に「まちづくり」に効果が生み出せるのではないか、というところからスタートした。スタジアムの存在は、交流人口の増加や経済効果はもちろん、住民の健康寿命の延伸やストレス軽減、地域への愛着の向上など、身体的、精神的、そして社会的効果もあるとされている。これまで日本になかったスタジアム運営モデルがいわき市で生まれれば、市にとっても日本のスポーツ界全体にとっても素晴らしいことだ。

 われわれも理想のスタジアム像は持っていない。スタジアム単体で収益を得ることを考えるのか、周囲も含めた間接的な経済効果も合わせて検証するのかなど、議論を重ねるプロセスを踏むことが今後の方向性を決める上で重要だと感じている。

 われわれにできることは、いわき市民や県民の皆さんにもっといわきFCを理解してもらうための努力。カテゴリーを上げるだけで応援してくれるファンが増えるわけではない。地域の子どもたちにスポーツの楽しさを体験してもらういわきスポーツアスレチックアカデミーや、サッカーだけでなく学業の向上も含めた人材育成を目指すアカデミー(下部組織)運営など、地道な活動を続けることが大事。その先に、スタジアム建設を含めたいわきFCの将来像が見えてくるはずだ。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。50歳。

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