いわきFC4連覇、JFLへ試金石 全国社会人サッカー東北予選

 
代表決定戦を制し、サポーターにあいさつするいわきFCイレブン

 今年こそ「全社タイトル」を手に―。29日に山形県鶴岡市で行われたサッカーの全国社会人選手権大会(全社)東北予選会代表決定戦で、いわきFC(東北社会人リーグ1部)は4年連続で優勝、全社への挑戦権を得た。イレブンは、東北第1代表として挑む4度目の全社に早くも照準を合わせている。

 いわきFCにとって全社は、社会人チームが争う全国大会で唯一獲得していないタイトル。今季の最大目標である日本フットボールリーグ(JFL)昇格に向け、全国各地域リーグの強豪がそろう全社で優勝することが「昇格への試金石になる」(平沢俊輔主将)。

 リーグ戦では無敗で首位を独走しているが、田村雄三監督(36)も「さまざまなチームが出る全社で連戦を戦うのも大切だ」と、JFL昇格後やJリーグ入り後を見据え、全社での戦いを重視する。

 いわきは今季、例年にない厳しい戦いが続く。リーグ戦では、大量得点で全勝優勝した昨季のリーグ2部に比べ、引き分けや低得点の試合もある。天皇杯JFA全日本選手権大会では2年連続で初戦敗退。田村監督は「全社に向けてメンバー同士の競争や大会中の選手の成長に期待している」とチーム力向上を鍵とする。

 代表決定戦では、前半を優位に進めながら、後半に攻撃が停滞する場面もあった。平沢主将は「集中が切れる時間帯がある。全員がいかに勝つことを意識してプレーするかだ」と、初の全社制覇へのポイントを見定めた。さらに「やってきたことを出せるよう、自信を持って戦いたい」と"4度目の正直"を誓った。

 サポーターも全社制覇への期待が高まる。代表決定戦を観戦したいわき市の会社員男性(37)は「どんな大会でも魂の息吹(いぶ)くフットボールを見せてほしい」とエールを送った。