いわきFC痛恨ドロー、突破条件は最終戦勝利 地域CL・1次R

 
【いわき―市原】後半、左サイドから切り込みシュートを放ついわきのMF日高=仁賀保グリーンフィールド

 サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)への昇格を争う全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)は9日、秋田県にかほ市の仁賀保グリーンフィールドなど3会場で1次ラウンド6試合を行った。Bグループで戦う東北代表のいわきFC(東北社会人リーグ1部)は、ボンズ市原FC(関東リーグ1部、千葉)と0―0で引き分けた。

 いわきは10日、同フィールドでBグループの首位に立つFCティアモ枚方(関西リーグ1部、大阪)と戦う。午後1時30分試合開始予定。

 いわきは1次ラウンド3試合のうち2試合を終え、1勝1分の勝ち点4で、グループ2位につけた。枚方は2勝で勝ち点6を獲得して首位となった。いわきが1次ラウンドを突破するには、枚方に勝利しグループ首位に浮上することが絶対条件になる。

 決勝ラウンドには各グループ1位と、各グループ2位のうち成績最上位のチームが進出する。Cグループでは、おこしやす京都AC(関西リーグ1部)と高知ユナイテッドSC(四国リーグ)が直接対決を残し、それぞれ2勝して勝ち点6で並んでいるため、いわきは枚方戦で引き分けになると、決勝ラウンドに進出できない。

 走り続け、活路を

 いわきは勝ち点3を積み上げたかった1戦で関東リーグ王者の壁を破れなかった。試合後に天を仰いだMF日高大は「引き分けでは駄目だった」と唇をかんだ。

 いわきは序盤から積極的に攻撃を展開。だが、初戦を落とし後がなくなった市原の体を張った守備にシュートコースを押さえられ、前半はシュート0本。後半もGKの好セーブの前にゴールネットを揺らせなかった。日高は「前半から畳み掛ける意識だったが、思い切ってシュートを打つ姿勢が足りなかった」と反省した。

 1次ラウンドを突破するには枚方を倒すしかない。田村雄三監督は「疲れているところで90分間走り続けるサッカーができるかが鍵」とチームの強みである体力の重要性を強調した。全国社会人選手権を制し、元日本代表などが名を連ねる実力チームの枚方だが、疲労が出る3戦目に自信を持つスタミナで活路を探る。

 日高は後半30分過ぎに左サイドの突破からシュートを外すなど悔いが残ったが「次勝てばいいだけ。精神的なダメージはない」と切り替えた。苦いドローは忘れ、全てを枚方との一戦にぶつける。

 坂田好セーブ

 いわきのGK坂田大樹は試合終了間際に相手の決定的なシュートを立て続けにセーブし、チームを救った。「良い反応で失点を防げた」と胸を張った。

 後半43分にミドルシュートを右に飛んで捕球すると、同44分には相手の滑り込みながらのシュートを左手一本ではじき、終盤のピンチをしのいだ。「相手が強気で攻めてくる中で守り切れたのは収穫」と振り返った。

 1次ラウンド突破には、次戦での勝利が必須となった。「全員で守り切り、絶対に勝つ」と決勝ラウンド進出に向けて気持ちを高めた。