「いわきFC」絶対に落とせない!走り奪いMF・日高が決勝点

 
【いわき-京都】後半、シュートを決め両手を広げ喜びを表すいわきのMF日高(左)=Jヴィレッジ

 Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)で22日行われた全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)決勝ラウンド第2節。いわきFC(東北社会人リーグ1部)は、宿敵のおこしやす京都AC(関西リーグ1部)に1―0で競り勝ち、2連勝でリーグ首位を維持。勝ち点を6とし、最終の第3節を待たずに日本フットボールリーグ(JFL)昇格圏内の2位以上が確定した。

 絶対に落とせない一戦だった。互いに初戦を勝利している上、京都は10月の全国社会人選手権の準決勝で敗れた因縁の相手。「二度と同じチームには負けない」と雪辱を誓ういわきが、チーム創設から貫く「走り勝つサッカー」を体現。手に汗握る好ゲームを制しJFL昇格をつかんだ。

 前半は緊迫した攻防戦が続き、スタンドの誰もが後半の激戦を予想していた。だが、勝敗の転機は後半早々の開始2分に訪れた。サイド攻撃から京都GKのクリアミスを誘い、ゴール前にこぼれたボールをMF日高大がダイレクトで蹴り込んだ。試合を決める得点は一瞬の出来事だった。

 「無意識のうちに放ったシュートだった」。日高は決勝点の場面を「僕のゴールというよりは、チーム全員で得点した」と振り返った。クリアミスを誘ったのは、チームが得意とする速攻と球際の強さがあったから。「勝利の理由は、ぶれずにいわきのサッカーをやった結果」と胸を張った。

 「全社の負けがあったからこそ今日の勝利につながった。あの敗北で成長したんだ」。後半はいわきのペース。京都を攻守で圧倒したが課題もあった。「チーム全体で最後の精度を磨けば、もっと攻撃力が高められる」と前を向いた。

 日高は今季JFLのホンダFCから移籍してきた。JFL昇格を決め「古巣との対戦が楽しみだ」と心強い。24日の最終節・福井戦は休日のため多くのサポーターが訪れる見込み。「感謝の気持ちを持ち、今季最終戦で集大成をみせ、来季につなげたい」。すでに次のステップを見据えている。

 堅守支えたDF・按田

 守備の奮闘で強豪京都に競り勝った。「絶対に負けないという強い気持ちで、チームが一つになれた試合だった」と振り返るのはDF按田頼。京都FWイブラヒムを徹底して抑え、仕事をさせなかった。

 10月の京都戦では守備陣の対応ミスなどでイブラヒムらに得点を許した。そのため守備陣の士気は特に高く、チームとしても競り合いで勝ったり、こぼれ球を奪うシーンが多かった。

 「後半になれば走り勝てる自信があった。良いゲーム展開になった」と按田。京都の高い攻撃力を守備陣が抑え、逆に持ち味のカウンターを仕掛け、勝利に結びつけた。

 「力強い応援をしてくれたサポーターに感謝したい。3戦目も必ず勝ちたい」と笑顔をみせた。