歓喜に震えるサポーター!感情が爆発 いわきFCは地域の希望

 
MF日高の先制点に沸くいわきFCサポーター=22日、Jヴィレッジ

 サッカーのいわきFCが本格始動4年目で、ついに全国リーグのJFL昇格を確実にした。Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)で22日に行われた全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)で、難敵のおこしやす京都AC(関西リーグ1部)に勝利、自力で昇格権をつかんだ。「いわき市をスポーツの力で盛り上げよう」と発足したチーム。愚直に戦う選手たちの姿がサポーターや市民の心を熱くした。

 昇格の瞬間を見届けようと多くのサポーターがスタジアムに駆け付け、感情を爆発させた。「今までにないほどの勢いだった。得点時は持っていた旗を放り投げて喜んだ」。いわき市の会社員、男性(46)は歓喜に震えた。

 46歳男性は、JFL昇格を狙った2017年の全国社会人選手権(全社)を観戦、この日対戦した京都に敗れて飛び級昇格を阻まれた悔しさを知るだけに、興奮が冷めない様子だった。

 同じくスタンドで声援を送り続けた、いわき市の男性(60)は「ようやくJFL昇格をつかみ、うれしい。さらに上を目指し、いわきの希望となって輝いてほしい」を期待を膨らませた。

 昇格内定を受け、地元から歓喜の声が上がった。清水敏男いわき市長は「市民にも勇気をもたらし、復旧・復興に取り組む市にとって大きな励みになる。J3昇格を目指してほしい」と祝福した。

 いわきFCと協働し、地域活性化を目指す民間主導の支援組織「スポーツによる人・まちづくり推進協議会」の小野栄重会長は「どんな困難も乗り越えてきたチームに、勇気をもらっている。これからも市民を挙げて応援していきたい」と喜んだ。

 JFL昇格は、「いわきを東北一の都市にする」を旗印に本格始動した16(平成28)年以来の悲願だった。市内の体育館やグラウンドを借りて練習した創成期から少しずつ設備とチーム力が整い、結果を積み重ねてきた。初年度から在籍する平岡将豪選手(24)は「最初は、JFLに行けると思っていなかった。4年間走り続け、戦ってきた成果が出た」と思いがあふれた。