「いわきFC」J参入へ挑戦本番!疾走4年...JFL昇格が確実

 

 いわきFCの歴史は4年前にさかのぼる。2015(平成27)年8月、世界的スポーツ用品メーカー「アンダーアーマー」の日本総代理店ドームがいわき市にプロサッカーチームの創設を掲げ、歴史が動きだした。同12月、県社会人リーグ2部に所属していた、いわきFCの運営権を譲り受け、新生いわきFCが誕生した。

 16年に選手選考を行い、同2月に選手入団を発表。ゆかりの8人を含む選手22人でスタートした。選手の平均年齢は21歳ながら全国クラブチーム選手権優勝など六つのタイトルをつかむ快進撃を見せた。

 17年は天皇杯県代表決定戦決勝でJ3の福島ユナイテッドFCを2―0で下し、初めて本戦出場を果たした。本戦2回戦では当時J1のコンサドーレ札幌を5―2で破る大番狂わせを演じ、一躍その名を全国にとどろかせた。

 しかし、JFL(日本フットボールリーグ)へ一気に昇格する"飛び級昇格"を狙った全国社会人選手権では2回戦で敗れた。全国の舞台で勝つ難しさを味わったが、90分間倒れずに走り続けるサッカーは見る人を魅了、応援の声は増していった。

 18年は全国社会人選手権で初めて3位入賞。東北社会人リーグ2部南から1部昇格を決めた。今季は東北社会人リーグ1部を18戦無敗で優勝した。チーム力は整った。JFL昇格を懸けた全国地域チャンピオンズリーグの1次ラウンドは、日本代表経験者も在籍する強豪チームひしめく「死のグループ」を突破。決勝ラウンドも攻撃的なスタイルで2勝し、2位以内を確定させた。

 大倉社長「さらなる切磋琢磨を」

 日本フットボールリーグ(JFL)は、全国のアマチュアチームで構成され、国内リーグで4部に当たる。

 JFLには、今年の天皇杯本戦でJクラブ3チームを下して8強に進出したホンダFC(静岡)や、昨年の天皇杯本戦でいわきが敗れたソニー仙台FCなど強豪16チームが所属している。総当たりのホーム&アウェー方式でリーグ戦を行う。

 チームを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長(50)はJFLを見据え「全国(の舞台)に進むことで、より注目度が上がる。さらなる切磋琢磨(せっさたくま)が必要」と気を引き締めた。