Jヴィレッジ活用へ いわきFCが数試合、来季JFLホーム戦

 
いわきFCが主催試合開催を検討しているJヴィレッジ

 サッカーのいわきFCはアマチュア最高峰の日本フットボールリーグ(JFL)に昇格する来季、Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)で主催試合(ホーム戦)を行う方針を決めた。最終調整中だが、本拠を置くいわき市のいわきグリーンフィールドをホーム戦の主戦場としながらJヴィレッジで数試合を検討。ことし全面再開し、福島県復興の象徴ともなっている"サッカーの聖地"から飛躍を目指す。

 7日、いわき市で開かれたサポーターと、チームを運営するいわきスポーツクラブとの意見交換で、大倉智社長が「チームの本格始動から4年がたちいわき市、浜通りの実情が見えてきた。復興に向かっているという(チームとJヴィレッジとの)共通点もあった」と経緯を説明した。

 チームがJFLの一つ上に位置するJ3に上がるためには、JFLでの1試合平均の観客数2千人が条件となる。東北社会人1部だった今季はホーム戦でいわき市のいわきFCフィールド(1400人収容)を使っていたが、JFLでは手狭となるため新たなホーム戦の試合会場を探していた。

 JFLでは16チームによるホーム&アウェー方式の30試合を行い、半数の15試合がホーム戦となる。チームはいわきグリーンフィールド(5600人収容)をメインの会場にしながら、残りをJヴィレッジ内のスタジアム(5千人収容)で実施したい考えだ。大倉社長は「1年でJ3入りする」とも述べ、Jリーグ参入の目標時期も掲げた。

 ◆復興への相乗効果期待

 チームは今季、JFL昇格を懸けた全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)の決勝ラウンドの試合会場としてJヴィレッジでゲームをしたほか、試合に向けた調整などでも施設を利用した。施設の関係者は「いわきFCの戦いの舞台は全国。(正式に決まれば)チームをきっかけに県外の人に浜通りの復興を肌で感じてもらえる機会になる」と相乗効果を期待した。