【コラム】WALK TO THE DREAM-51 入場者増のJ1

 

◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 昨シーズンのJ1の1試合平均入場者数がJリーグ発足以来初めて2万人の大台に達した。これは、優勝した横浜マリノスの影響が大きい。

 見ていて「面白かった」

 マリノスのフットボールは見ていて面白かった。試合中の走行距離、スプリント回数などすべてのデータがリーグ1位だったことがそれを裏付ける。世界で展開されているフットボールをマリノスが実践したことで、他チームや観客に与えたインパクトは大きい。

ッカーは22人でやるスポーツなので、相手がマリノスの超攻撃的フットボールに影響を受けて試合が面白くなったことが、入場者数増につながったと感じた。

 2018シーズンは降格争いをしていたマリノスが1年で優勝した要因として、監督の哲学がストレートに出たことが挙げられる。世界のフットボールの指向を理解した監督を獲得し、結果につなげた。クラブが意図的にやったのだとすると非常に参考になる。いわきFCも同じ方向のフットボールを目指しており、示唆に富んだJ1の1年だった。

 今シーズンのJ1には、久しぶりに横浜FCが帰ってくる。三浦知良選手や中村俊輔選手などベテランをうまく起用してJ2を勝ち上がった同FCの戦い方はマリノスとは真逆だが、ある意味、クラブの色を明確に持っているとも言える。J1に常時残るのは難しいかもしれないが、チームの戦い方に注目したい。

 残念ながら昇格できなかったが、入れ替え戦ではJ2の徳島ヴォルティスに注目していた。マリノスと目指す方向が同じで、選手が前へ前へとテンポ良く動き、ボールを下げないフットボールは素直に面白かった。

 J2下位とJ3、そしてJFL上位の実力は僅差。いわきFCも人の心を揺さぶり、観(み)る人に「面白い」と言ってもらえるフットボールを展開して、1年でのJ3昇格を目指したい。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。50歳。